中国でスポーツクライミングが人気 関連産業も成長

中国でスポーツクライミングが人気 関連産業も成長

新華社 | 2026-05-26 21:59:30

北京市の北頂奥森クライミング生態園で壁を登るクライミング愛好家。(資料写真、北京=新華社記者/戴錦鎔)

 【新華社北京5月26日】中国でかつてマイナー競技だったスポーツクライミングはここ数年、全国運動会やアジア競技大会、五輪などで正式競技に採用されるのに伴い、急成長期を迎えており、都市の若者のレジャーや健康づくりの新たな選択肢となっている。

 中国登山協会の統計では、国内のクライミング業界の市場規模は2020年の10億元(1元=約23円)未満から、24年には約40億元に拡大した。「中国クライミング業界発展報告2024」によると、25年1月時点で国内の商業クライミングジムは前年同期比27・5%増の811施設に達した。

 ホールド(人工壁に取り付ける突起物)の購入やルート設計、大会開催など、クライミング人気はさまざまな産業チェーンへ広がりつつある。北京や上海、深圳(広東省)、成都(四川省)などでは、平日の夜や週末になるとクライミングジムはどこも満員で、空いている壁を見つけるのが難しい状況が続いている。

 北京市内のクライミングジム、北頂奥森クライミング生態園の責任者、張珊珊(ちょう・さんさん)さんは、ジムの運営実績が昨年10月の開業以来、予測を大幅に上回っていると紹介。週末の1日当たり平均利用者数は500人前後で安定し、多い時は千人を超えているという。新規利用者も爆発的に増加しており、初めて体験する人の割合が半数を超えていることから、クライミングの高い集客力がうかがえると語った。

上海市の徐匯浜江地区にあるスポーツクライミング場で練習する子どもたち。(2024年8月5日撮影、上海=新華社配信/陳浩明)

 ブームの背景には、クライミングへの間口が広がり続けていることがある。従来の自然な岩壁を用いる屋外クライミングが持つ「近寄りがたい」イメージとは異なり、屋内クライミングジムの多くは商業施設内にあり、敷居が低く、社交的な要素も強いため、都市の若者の心を一気に捉えた。多くのジムでは、初心者向けの体験コースから本格的なトレーニングまでをさまざまなカリキュラムが用意され、登るたびに新鮮さを味わえるよう、ホールドの位置やルートを定期的に変更している。

 クライミング愛好家の李(り)さんは、新しいルートと向き合うたびに、短時間で観察や判断、素早い反応が求められ、高度に集中することで、日常の不安やストレスを効果的に切り離せると話した。

 交流サイト(SNS)では「クライミングでストレス解消」「クライミングで人脈づくり」などのハッシュタグの閲覧数が累計1億回を突破し、クライミングがおしゃれで健康的なライフスタイルの象徴になりつつある。

 張さんは、クライミングは単なるスポーツではなく一種のライフスタイルだと強調。ジムでは屋外の岩壁やカリキュラムを開設しているほか、アート展示などのトレンド要素も取り入れて、独自性と連動性を兼ね備えた持続可能な経営形態を構築していると述べた。

マカオ大学のオープンキャンパスで、スポーツクライミングを楽しむ市民。(2021年1月17日撮影、マカオ=新華社記者/張金加)

 北京市登山スポーツ協会の胡松(こ・しょう)副会長は、クライミングが小売りや飲食、文化・観光など多岐にわたる業態の発展をけん引し、勢いよく成長する消費の産業チェーンが形成されつつあると述べた。

 北京市内のクライミングジム「Camp4岩肆」の常連であるホワイトカラーの周(しゅう)さん(29)は「クライミング以外にも、専門のウエアやシューズを買い、疲れたら軽食を取ることもできる。週末はここで1日中過ごせる」と語った。

 スポーツと社交と消費を組み合わせたモデルは、各地で展開されている。上海市浦東新区では、敷地面積1800平方メートルで開放的なつくりの複合スペース「Part Park」が、若者の集まる新たなスポットになりつつある。中に入るとすぐにボルダリング体験エリアが広がり、その両側にテニスコートやコーヒースタンド、アウトドア用品の販売店が並ぶ。さまざまなニーズを持つ消費者が、開かれた空間で思い思いに過ごすことができる。

 「Part Park」ブランドの創業者、邵薏菲(しょう・いひ)さんは、複合業態が多元的な収益モデルをもたらしたと紹介。「Part Park」の収入のうち、半分はスポーツコンテンツ、残りの半分は小売りなどその他サービスによるもので、開業からわずか半年で来場者数は4倍になったと明かした。

 クライミングで上へ上へと登っていくように、クライミング関連の消費もジャンルの壁を越えて成長しており、参加者が増えるだけでなく、他の消費分野とも深く融合しつつある。胡氏は「クライミング関連の消費がますます発展することで、この分野はさらに大きな伸びしろが期待できる」と述べた。(記者/戴錦鎔)

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