中国の若者に食を通じた養生法ブーム 高まる「薬食同源」への関心

中国の若者に食を通じた養生法ブーム 高まる「薬食同源」への関心

新華社 | 2026-05-13 14:15:30

河南省鄭州市にある中医館(中国伝統医学に基づくクリニック)「東済堂」に併設された食養生キッチン。(鄭州=新華社配信)

 【新華社鄭州5月13日】中国では昨年、ソーシャルメディアを中心に「中薬店で酸梅湯の材料を買う」という話題が盛り上がった。現在、食を通じた新たな養生法を探究する若者が増えている。中薬材(中国伝統医薬の材料)を加えたミルクティーや中薬ティードリンク、薬食同源料理などが続々と紹介され、中薬イコール「苦い」という世間の偏見を打ち破り、ますます多くの中国の若い世代が、薬食同源の養生(保養・健康増進)法を好むようになりつつある。

 河南省鄭州市では、「東済堂」という中医館(中国伝統医学に基づくクリニック)が若者たちの人気スポットとなっている。この中医館は金水区興栄街の2階建ての小さな建物にある。主に中医診療を行っているが、併設の食養生キッチンでは、患者や養生志向の人々向けに、薬膳やティードリンク、スイーツなどが選べるメニューを提供している。多くの若者は、脈を診てもらうわけでも診察を受けるわけでもなく、ただ「噂の養生食」を味わうためだけに1~2時間も行列に並ぶのをいとわない。

河南省鄭州市にある中医館(中国伝統医学に基づくクリニック)「東済堂」に併設の食養生キッチンで提供された料理。(鄭州=新華社配信)

 同中医館責任者の李嘉慧(り・かけい)さんは、食事提供は本業ではなく、中医館の中心はあくまで診療だと話す。実際、これらの養生料理は最近打ち出した新商品というわけではなく、もともと受診に訪れた人に出していた簡単な食事で、数年前から続けていた。提供する料理は食材を重視し、味付けは控えめで、食材本来の味を生かしている。そこに込めた思いについて、李さんは「皆さんに健康的な食生活を送ってほしい。中医学が提唱する健康的なライフスタイルを広めたいという願いが根底にある」と語った。

 中国の若者たちは、今では養生食品の味や品質について自分なりの考えを持っており、伝統的な養生食品では満足せず、おいしく健康にも良い革新的な製品を好む傾向がある。こうした薬食同源の消費ブームの高まりに注目し、多くの病院もこの分野に参入、市場化を加速させている。

河南省鄭州市金水区の沙門社区(コミュニティー)衛生サービスセンターで、一緒に作った薬膳マントウ(中華蒸しパン)を見せる職員と近隣住民。(3月8日撮影、鄭州=新華社配信)

 開封市中医院は薬膳専門家チームを擁しており、中薬の処方とパンの材料をバランスよく組み合わせることで、目の健康や胃腸の働き強化、脂肪減少、美容などの効果が期待できる、黄耆(オウギ)やクワの実を使った養生パン、茯苓(ぶくりょう)とヤマイモのベーグルなど一連のパンを考案。若者にとって譲れない「養生ニーズ」に応えている。また、鄭州市では、金水区沙門社区(コミュニティー)衛生サービスセンターが提供する薬膳マントウ(中華蒸しパン)が、近隣住民から好評を博している。

 鄭州市中医院の中医経典科で主治中医師を務める葛陽濤(かつ・ようとう)さんは、最近の若者層を中心とする中医養生ブームについて、健康消費はもはや単に商品を買うという行動から、ライフスタイルの選択になっていると受け止めている。薬膳料理からきゅうや推拿(すいな)、日々の飲食から生活習慣に至るまで、中国の若者たちは自分に合った方法で「中国式養生」の新たな理念を形にしている。(記者/王爍)

河南省鄭州市金水区の沙門社区(コミュニティー)衛生サービスセンターにあるテイクアウト窓口で薬膳を買う行列に並ぶ近隣住民。(鄭州=新華社配信)

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