上:三星堆遺跡7号祭祀坑の位置図。下:出土した隕鉄器の破片。(成都=新華社配信)
【新華社成都5月11日】中国の四川大学考古文博学院と四川省文物考古研究院はこのほど、国際学術誌「アーキオロジカル・リサーチ・イン・エイジア」に共同で発表した論文で、四川省の三星堆遺跡7号祭祀坑(さいしこう)から隕鉄器が見つかったと明らかにした。
論文は7号祭祀坑の発掘責任者、四川大学考古文博学院の黎海超(れい・かいちょう)教授と四川省文物考古研究院の冉宏林(ぜん・こうりん)研究員らが共同で執筆した。黎氏によると、2021年の7号祭祀坑の発掘で東壁南側の底部に垂直に立てられた細長い道具または兵器を発見。長さ約20センチ、幅は5・3~7・9センチで、斧や鉞(まさかり)のように見えるが、腐食が激しく判別できなかった。
実験室での分析で「謎の器物」は隕鉄と確認された。西南地区で発見された中で最も古く、また中国の青銅器時代の同類遺物の中で体積が最も大きい隕鉄器となった。
黎氏は「三星堆で初めて見つかった隕鉄器であり、人工製錬ではないが、西南地域の先人が鉄という物質を認識し、利用していたことを示している」と述べた。
中原地域でよく見られる青銅と隕鉄の複合器と異なり、三星堆で見つかったのは隕鉄のみで作られた純隕鉄製品で、独自の冶金(やきん)技術があったことを示している。ただ、保存状態が悪かったため、機能の判断は難しいという。
今回の発見と研究は、地域の冶金史の重要な空白を埋める成果であり、初期の隕鉄器の利用の地域差を理解するための新たな実物資料となった。遺物がどの隕石群に属するかは現時点で特定されておらず、今後の研究で隕鉄の由来を解明するとともに、機能や儀礼的性格についても探究を深めていく。