特色ある生態資源が中国最北端地域の産業に活力 黒竜江省

特色ある生態資源が中国最北端地域の産業に活力 黒竜江省

新華社 | 2026-05-04 17:10:00

大興安嶺地区の漠河市で寒冷地試験を行う車。(2025年12月8日撮影、漠河=新華社配信)

 【新華社ハルビン5月4日】中国黒竜江省の大興安嶺地区では春になっても、一部地域が雪や氷が解けずに残っている。

 同地区工業・情報化局の屈暁(くつ・ぎょう)3級調研員は大興安嶺について「中国最北かつ最高緯度に位置し、冬は長く、結氷期は200日余りに及ぶ。自動車や航空機、電力など重要設備・施設の天然の寒冷地試験場であり、寒冷地試験産業を発展させる上で際立った環境優位性を持っている」と説明。2025~26年の寒冷地試験シーズンには、現時点で試験車両と専用設備1679台(セット)、延べ3166人が現地で試験を行い、関連サービス業の売り上げを約6672万元(1元=約23円)押し上げたと紹介した。

 地元の発展・改革委員会の崔岩(さい・がん)副主任は、同地区が恵まれた資源を生かし、生態保護と産業発展の最適な接点を見極め、生態主導型の林区の近代化産業体系の構築に努めていると述べた。

大興安嶺沢康琳中薬材栽培専業合作社(協同組合)の栽培拠点。(2025年6月15日撮影、ハルビン=新華社配信)

 同地区の生態環境は寒冷地バイオ産業の発展にも非常に適している。大興安嶺沢康琳中薬材栽培専業合作社(協同組合)の李偉(り・い)理事長は、地元関連部門の支援を受けて、ここに合作社を設立し寒冷地中薬材を栽培することを決めたと紹介し「今年8月には中医薬材料の赤芍(セキシャク)の収穫が始まる。長年の取り組みがようやく実を結ぶ」と話した。

 李氏は「合作社は今年、栽培規模を1500~2千ムー(100~約133ヘクタール)拡大する計画で、29年には栽培規模が1万ムー(約667ヘクタール)に達する見込み」と述べた。

 地元のブルーベリー食品メーカー、大興安嶺百盛藍苺科技開発ではネット配信者がライブ配信を行っていた。李靚英(り・せいえい)副総経理は同社が低温抽出や発酵などの技術を用い、大興安嶺の野生ブルーベリーを加工してさまざまな健康製品を開発していると説明し「大興安嶺林区には天然で汚染されていない野生のブルーベリーが生い茂り、高付加価値加工にふさわしい原料となる」と語った。

風車内部の構造を疑似的に見学できる仮想現実(VR)機器を調整する大興安嶺技師学院の講師。(4月10日撮影、ハルビン=新華社記者/朱悦)

 同地区の特色ある生態資源は、大学や研究機関などによるイノベーションの肥沃な土壌にもなっている。

 大興安嶺技師学院の新エネルギー産業学院に足を踏み入れると、風力発電機を構成するナセルとハブが目に飛び込んでくる。ある教室では、風力発電所機電設備運転・保守専攻の潘旭瑩(はん・きょくえい)講師が、風車内部の構造を疑似的に見学できる仮想現実(VR)機器を調整していた。

 同学院の商兆海(しょう・ちょうかい)院長は「風力をはじめとする大興安嶺の新エネルギー資源は非常に豊富で、大興安嶺職業学院、華鋭風電科技(集団)と共同で新エネルギー産業学院を設立した」と紹介。同産業学院は機能の整った風力発電実習拠点で、華鋭風電の先進的な2重給電型風力発電機の実機を実習用に設置し、学生に実践的な教育・訓練環境を提供していると述べた。

 大興安嶺地区の取り組みについて、黒竜江省社会科学院産業経済研究室の欒雲霄(らん・うんしょう)主任は「従来の資源開発における経路依存から脱却し、発展の妨げに見えた『冷たい資源』を『熱い資産』に転換した」と強調。これは単に「雪と氷に覆われた地」を経済的な価値のある「金山銀山」(豊かな自然)に変えただけでなく、生態資源の価値を実現する新たな仕組みの模索でもあるとの見方を示した。(記者/朱悦)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。