東京裁判から80年 「新型軍国主義」台頭で問われる現代的意義

東京裁判から80年 「新型軍国主義」台頭で問われる現代的意義

新華社 | 2026-05-02 15:12:00

東京裁判の様子。(資料写真)

 【新華社上海5月2日】今年は極東国際軍事裁判(東京裁判)開廷から80年に当たる。歴史の真実を確定させたこの裁判は、今日においても日本の軍国主義復活を抑止する重要な法的歯止めとなっている。日本では現在、「新型軍国主義」というべき動きが急速に強まっている。専門家は、日本で相次ぐ「再軍事化」の動きについて、右翼勢力による平和憲法への攻撃が探りの段階から正面突破へと移行しつつある兆候だと指摘し、国際社会に警戒を呼びかけている。

 1946年、東京裁判の検察にあたる国際検察局は、侵略戦争の共同謀議、その開始と遂行、殺人、通常の戦争犯罪などの罪で28人のA級戦犯を起訴した。上海交通大学戦争裁判・世界平和研究院の曹魯暁(そう・ろぎょう)助理研究員は、同裁判が戦争責任追及の法的根拠と前例を築いたと指摘する。さらに、日本の平和憲法と相まって、日本が再び戦争に踏み出す口実を封じ、アジア太平洋地域の平和の枠組みを形作ったと評価する。

上海交通大学戦争裁判・世界平和研究院の曹魯暁助理研究員。(上海=新華社配信)

 しかし、日本の右翼勢力は長年にわたり、「勝者の裁き」などの主張によって、東京裁判が導いた歴史認識の否定と戦争責任の回避を図ってきた。こうした言説は、憲法改正や軍備拡張をめぐる世論形成とも結び付いている。足元では「新型軍国主義」の傾向が一段と強まり、高市内閣による改憲推進や有力政治家による靖国神社参拝などの動きが、地域の安全保障に新たな懸念をもたらしている。

 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の項昊宇(こう・こうう)特任研究員は「新型軍国主義」とは、日本の軍国主義思想の残滓(ざんし)が現代的な形で現れたものだと分析する。その最終的な狙いは、右翼勢力が侵略の歴史への反省を回避したまま、第2次世界大戦の敗戦国としての立場から完全に脱却し、軍事・政治両面で大国化を図り、地域や世界での主導権を握ることにあると指摘する。

中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の項昊宇特任研究員。(上海=新華社配信)

 こうした背景の下、東京裁判の現代的意義は一層際立っている。曹氏は、侵略戦争の遂行を犯罪と位置付けた理念が、軍国主義復活に対する法的抑止として機能していると強調する。また、裁判記録や証拠資料が残されていることが、侵略の歴史を美化する日本の試みが国際的に通用する余地を狭めていると指摘する。同時に、中国への敵対的な行動を企図するいかなる団体や個人に対しても警告となり、平和と正義を守る中国の決意を示すものだと述べた。

 項氏は、高市内閣が侵略の歴史を否認しつつ軍備拡張を進めている現状について、これを放置すれば連鎖的な影響を招き、地域さらには世界規模での衝突リスクを高めかねないと指摘する。国際社会に対し、東京裁判の歴史的教訓を改めて想起し、戦後国際秩序を共同で維持するとともに、日本の軍国主義復活に断固として反対し、歴史の正義によって世界平和を守る必要があると呼びかけた。(記者/呉振東、唐斯琦)

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