チベット語出版を支える編集者たち 中国西蔵自治区で文化継承

チベット語出版を支える編集者たち 中国西蔵自治区で文化継承

新華社 | 2026-04-26 13:30:00

「茶経」チベット語訳本の校訂作業を進める仁青さん。(資料写真、ラサ=新華社記者/春拉)

 【新華社ラサ4月26日】中国西蔵自治区ラサ市の西蔵人民出版社。チベット語編集部の仁青(リンチェン)さん(29)は出勤すると、「茶経」のチベット語訳原稿を机に並べ、一日の仕事を始める。北京の中央民族大学チベット語文学科を卒業した仁青さんは、チベット語編集の仕事に携わって今年で7年目となる。

 「『茶経』には古い地名が多く、校訂作業は複雑だ。一つの地名の標準的な訳語を確認するだけでかなり手こずることもある」と仁青さんは語る。「茶経」チベット語訳の編集を始めたのは、お茶を愛する西蔵の読者にその歴史を伝え、茶文化への理解を深めてもらうためだという。

 仁青さんの日常は、西蔵におけるチベット語書籍編集の現場の縮図と言える。西蔵人民出版社では毎年約150点のチベット語書籍を出版し、その内容は政治、経済、歴史、児童向けなど多岐にわたる。白書「新時代における西蔵の人権事業の発展と進歩」によると、2024年末時点で、西蔵ではチベット語の定期刊行物17誌、新聞11紙が発行されており、チベット語書籍は累計8794点、発行部数は4685万部に達している。

写本「ケサル王伝」シリーズ。(資料写真、ラサ=新華社配信)

 同出版社から数キロ東にある西蔵チベット語古籍出版社は、中国で唯一のチベット語古典専門出版社で、編集者たちは古典の整理・出版という形で、高原で受け継がれてきた文化を守り続けている。

 西蔵平和解放以前のチベット語古籍や古代の木簡、金石文を収集、整理、出版し、博物館や寺院、民間に散在する貴重な古文献を、一般読者や研究者が利用できる公共の文化資源へと転換している。

 「チベット語古籍は版の種類が多く、系統も複雑で、手書き資料には略字や特殊記号が多く含まれ、判読が非常に難しい。編集者はチベット学や古典文献の専門家と連携し、疑問点ごとに複数の版本を突き合わせて校訂する」と、同社の拉巴扎西(ラバ・ザシ)副社長は説明する。

「雪域文庫」シリーズ百巻合本愛蔵版(全33冊)。(資料写真、ラサ=新華社配信)

 1989年の設立以来、同出版社は千点以上の貴重な古典文献を整理、出版してきた。主力の「雪域文庫」シリーズはこれまでに100点以上を刊行し、収録された孤本や写本、木版本などの95%以上が初の公開出版となっている。

 一般書籍の幅広い発信から貴重古籍の体系的整理に至るまで、世代を超えたチベット語出版人たちは文字を架け橋に、西蔵文化の「遺伝子」を中華文化の宝庫に積み重ねてきた。それは世界に西蔵をより深く理解させ、中華民族の多元一体の歴史と時代の姿を伝える営みでもある。(記者/春拉)

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