
イエローストーン超巨大火山下方のマグマシステムを示す図。(北京=新華社配信)
【新華社北京4月23日】超巨大火山は超大規模噴火を引き起こす火山で、環境や気候、人類社会に甚大な影響を及ぼす。その形成メカニズムの理解は、火山災害を警戒する上で重要な意味を持つ。中国の科学者は、マグマの生成から集積に至る超巨大火山の動的変化を世界で初めて明確に示し、火山の動的変化の理解や火山活動の予測、火山災害の防止に新たな地球力学的視点をもたらした。研究成果は10日、科学誌サイエンス電子版に掲載された。
中国科学院地質・地球物理研究所の研究チームは、北米西部の典型的な超巨大火山、イエローストーン火山を研究対象とし、岩石圏(地殻と上部マントル層)やマントルの対流を高精度にモデリング。動力学過程を計算して北米西部の固体地球システムの包括的なモデルを構築した。

イエローストーン超巨大火山のマグマシステムの形成過程を示す図。(北京=新華社配信)
研究者らはこのモデルを通じ、東向きに流れる軟流圏(岩石圏の下のマントル層)がイエローストーン火山の下の狭い大陸岩石圏の通路を通過する際、上昇する高温物質と下降するマントルが互いに引っ張り合うことで減圧融解を起こし、大量のマグマが発生することを突き止めた。また、軟流圏による東向きの推力と岩石圏の密度構造が生み出す西向きの張力が作用し合うことで火山の下に蓄積された地域的な引張応力が岩石圏を引き裂き、斜め上に貫通するサイフォン状の通路を形成していたことも分かった。マグマはサイフォン帯に沿って階段を上るように湧き上がり、移動し、絶えず変化して最終的に火山下のマグマシステムを形成した。
中国科学院地質・地球物理研究所の劉麗軍(りゅう・れいぐん)研究員は「超巨大火山は一度の噴火で1千立方キロを超える固体物質を噴出することもあり、破壊力が極めて大きい」と指摘。マグマシステムの形成と変化のメカニズムを理解することは、火山災害を予防する上で非常に重要だと述べた。今回の研究については、超巨大火山下のマグマシステムの形成メカニズムを世界で初めて体系的に解明したとし、国内外の活火山を研究、予測し、防災減災を実現するための新たな視点と手段をもたらしたと語った。(記者/魏夢佳、呉文詡)