国境沿いの農家が写真展、カメラで守る鳥類と自然 中国雲南省

国境沿いの農家が写真展、カメラで守る鳥類と自然 中国雲南省

新華社 | 2026-04-22 17:23:16

農家のカメラに収められるオオサイチョウ。(資料写真、昆明=新華社配信/徐金海)

 【新華社昆明4月22日】中国南西部の国境に位置する雲南省徳宏ダイ族ジンポー族自治州の美術館で17日、地元の農家10人による国境地帯農家生態写真展が開催された。

 作品を出展した農家たちは、かつては農作業や出稼ぎで生計を立てており、中には猟師をしていた人もいた。今ではカメラを手に国境沿いを縦横に駆け巡り、生き生きとした鳥の姿を撮影している。農家たちは「野鳥ガイド」から「生態カメラマン」へと歩みを進め、写真展を通じて、国境に暮らす一般の人々が豊かな自然と生態系の安全を守る物語を伝えている。

農家のカメラに収められるインドカンムリアマツバメ。(資料写真、昆明=新華社配信/徐少)

 自治州にある石梯村や大谷地村は中国とミャンマーの国境に位置し、森林は90%を超え、450種類以上の鳥類が生息している。しかし10年余り前までは、木の伐採や猟をしてお金や食べ物に換えるのが常だった。

 転機が訪れたのは2015年。地元政府の宣伝隊が「緑水青山こそ金山銀山」(豊かな自然は金銀同様の価値がある)という理念を繰り返し周知して回った。村の目立つ場所には「野生動物の狩猟・捕獲の禁止、天然林の伐採禁止」と書かれた自治規則の看板が立てられた。

農家のカメラに収められるミヤマハッカン。(資料写真、昆明=新華社配信/菜三)

 地元政府は同自治州盈江県のバードウオッチング協会を招き、村に「野鳥ガイド」育成班を開設。参加した地元住民たちに、鳥の鳴き声の聞き分け方や観察方法などを指導した。

 「バードウオッチング観光」の人気が高まるにつれ、毎年2~5月のオオサイチョウなどの希少な鳥類の営巣期には中国本土のほか米国、フランス、インドなどから観光客が続々と訪れるようになった。地元住民の徐金海(じょ・きんかい)さんによると、今年2月には1カ所の観察ポイントに40~50人の観光客が訪れ、一日の観光収入は1万元(1元=約23円)を超えた。

農家のカメラに収められるコウハシショウビン。(資料写真、昆明=新華社配信/徐金海)

 李麻約(り・まやく)さんは「これまで木を切らず鳥も撃たないでいたのは、規則があったから。今は規則がなくても木や鳥を自分から保護する。生態系が良くなってこそ、暮らしも良くなると分かったからだ」と語った。

 収入が増えても農家たちは生活を改善しようと思わず、真っ先にカメラを購入した。全国各地から訪れるカメラマンに教えを請い、鳥たちが生き生きと輝く一瞬を捉える技術を習得。レンズを通して国境の生態系を伝えている。

農家のカメラに収められるオオホンセイインコ。(資料写真、昆明=新華社配信/木何門)

 撮影した写真が増えてくると、農家たちは交流サイト(SNS)のアカウントを開設した。鳥類や熱帯雨林の美しい景色、日常の森林保護活動を発信すると大きな注目を集め、ネットユーザーからバードウオッチングの問い合わせが来るようになった。撮影による集客、増収による生活の質の向上、撮影レベルの向上という好循環が生まれた。

 10年前、弓矢を手にして森の中を飛ぶ鳥を狙っていた農家たちは、今はカメラを構え、美しい自然を守っている。(記者/孫敏)

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