
南京を占領した旧日本軍による中国民間人虐殺を記録した写真。(北京=新華社配信)
【新華社東京4月7日】日本で歴史認識をめぐる修正主義の動きが強まっている。教育現場では侵略の記述をめぐる表現の変更が進み、若い世代の歴史認識への影響が懸念されている。文部科学省がこのほど公表した2027年度から使用される高校教科書の検定結果でも、一部で侵略の歴史を希薄化、否定、美化する記述が指摘された。
日本政府は歴史教科書の改訂を通じ、歴史の真相を隠蔽(いんぺい)し、日本国民、とりわけ若い世代の歴史認識を誤った方向へと導いてきた。戦争で犯した罪に対する日本社会の記憶を体系的に抹消しようとする動きとの見方もある。
歴史教育の中で軍国主義的な思想を広める動きは、日本国内の極端な感情を助長するだけでなく、自衛隊員による中国大使館への侵入のような暴力行為を再び引き起こしかねない。日本政府による軍備拡張を正当化する思想的誘導ともなり得るもので、日本自身を危険にさらすとともに、地域の平和を損なう恐れがある。
ロシアから中国に提供された、旧日本軍の細菌戦部隊として知られる「731部隊」について旧ソ連が作成した尋問記録の機密解除文書。(北京=新華社記者/李鑫)
日本の軍国主義が発動した侵略戦争は、世界、特にアジア諸国に甚大な被害をもたらした。日本の右翼勢力は一貫して侵略の歴史を否認し、戦争責任から逃れようとしており、歴史教科書の改訂は国民の歴史認識を歪める手段となっている。
青山学院大学の羽場久美子名誉教授は、ここ30年で歴史教科書改訂の動きが加速してきたと指摘する。右翼勢力は侵略の歴史を教えることを「自虐史観」と批判し、一部の出版社では「愛国主義」を前面に出した内容の歴史教科書が編さんされるようになったという。
研究者の調査によると、日本の出版社9社が発行する現行の中学校歴史教科書のうち、中国侵略を明確に「侵略」と表現し、南京大虐殺における日本軍の残虐行為に言及した教科書は1社にとどまり、採用率は0・5%にすぎないという。この教科書を採用する学校に対しては圧力がかかるケースもあるとされる。

中国人民抗日戦争紀念館で行われた「90人の元慰安婦生存者の記録」の出版記念イベントで、展示された本の写真を見る来場者。(2016年12月10日撮影、北京=新華社記者/羅暁光)
日本の教科書は出版社が編さんし、文部科学省の検定を経て各地の教育委員会が採択する仕組みとなっている。誤った歴史観に立った教科書が学校に導入される背景には、間違いなく日本政府の後押しがある。
日本政府は近年、歴史教科書の表現を公然と見直し始めた。2021年には「従軍慰安婦」や「強制連行」といった表現を「不適切」とする閣議決定が行われ、多くの教科書で関連記述の修正が進んだ。
愛知学院大学文学部の広中一成准教授(中国近代史)は、教科書問題における日本政府のさまざまな行動は、日本の右翼政治家や一部の指導者の誤った歴史認識を反映したものだと指摘する。
こうした歴史教科書の積み重ねが、誤った歴史認識を日本社会に広め、国民、特に若い世代を誤った方向に導き、日本国内の極端な民族主義を助長するとともに、右翼勢力による軍国主義の復活に思想的な基盤を提供している。
3月31日、東京の防衛省前で、「敵基地攻撃能力」を備えた長射程ミサイルの熊本・静岡両県への配備に反対する人々。(東京=新華社記者/岳晨星)
刃物を持った幹部自衛官による中国大使館への侵入事件は世論を騒然とさせた。複数のメディアは、自衛隊内部で使用されている教材や訓練内容に修正主義的な歴史観が含まれていると報じている。
教科書改訂を含む歴史修正主義の動きは、日本の政治や社会の右傾化につながっている。侵略の歴史や戦争責任に対する国民の認識は希薄化しつつある。「戦後日本は不当な扱いを受けてきた」「日本は外部の脅威にさらされている」といった日本の右翼が唱える荒唐無稽な主張が幅を利かせ、「新型軍国主義」が頭をもたげている。
教科書の表現をいくら操作したところで、確固たる証拠に裏付けられた歴史の事実を変えることはできない。日本の学者たちも、歴史を深く学び、謙虚に歴史と向き合うことこそ、日本が歴史の悲劇を繰り返さないための唯一の道だと指摘している。