19日、東京の議員会館前で抗議集会に参加する人々。(東京=新華社記者/陳沢安)
【新華社東京3月29日】日本の高市政権はこのほど、自衛隊の組織改編に踏み切った。海上自衛隊の大規模な改編やいわゆる「認知戦」への対応強化、宇宙専門部隊の増強などが含まれる。
専門家は、今回の改編が攻撃的性格を持つと指摘。近年の度重なる防衛力増強は「再軍事化」の野望を改めて浮き彫りにしたとし、地域の平和と安定を脅かすと述べた。
過去最大規模の組織改編
今回の改編で大きく変わったのは海上自衛隊である。主力部隊の「護衛艦隊」と機雷を処理する「掃海隊群」を再編し、地方隊所属の掃海艇までを一元的に指揮する「水上艦隊」を新設した。
水上艦隊には三つの「水上戦群」と「哨戒防備群」「水陸両用戦機雷戦群」を置く。護衛艦隊が設立されたのは1961年であり、一部の日本メディアは今回の改編を「過去最大規模の組織改編」と称した。
中国社会科学院日本研究所の盧昊(ろ・こう)総合戦略研究室主任は今回の改編について、艦種別編成という従来の慣例を打破し、より総合的な機能と実戦能力を持つ艦隊を整備し、「空母戦闘群」の準備を進める狙いがあると語った。
日本メディアは、長崎県佐世保市に司令部を置く水陸両用戦機雷戦群と、同じく佐世保に本部を持つ陸上自衛隊の水陸機動団が連携を強化することで、いわゆる「南西方向からの圧力」への対処能力を高めることができると伝えた。水陸機動団は「日本版海兵隊」とも呼ばれ、攻撃的性格が強い。
海上自衛隊はまた、情報・サイバー・通信・海洋観測などの機能を担う部隊を統合し、約3200人の「情報作戦集団」を新設。陸上自衛隊も「情報作戦隊」を発足させた。防衛省は、これらの部隊が「認知戦」に対処するとしている。
航空自衛隊は宇宙監視を担う「宇宙作戦群」を「宇宙作戦団」へ格上げし、人員規模も約310人から約670人へ倍増。26年度中に「宇宙作戦集団」へ改編し、約880人に増員する。航空自衛隊は26年度末の「航空宇宙自衛隊」への改称も予定している。
新設・改編された部隊の名称には「戦」や「作戦」の文字が多く使われ、「水上艦隊」からも「護衛」の表現が消えた。一部の日本メディアは今回の改編を「攻めの再編」と呼んだ。
東京の首相官邸前で抗議集会の参加者が掲げたプラカード。(2025年11月21日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
中国現代国際関係研究院の樊小菊(はん・しょうきく)研究員は、今回の改編は日本政府が掲げる「防衛力の抜本的強化」戦略の一環であり、限られた装備と人員でより攻撃的な軍事目標を実現しようとする試みだと指摘した。
「再軍事化」の加速
長年にわたる防衛費増額に加え、高市早苗首相の就任以降は軍備増強の歩みがさらに速まり、「再軍事化」の動きが加速している。
日本は今月から、いわゆる「反撃能力」と位置付ける長射程ミサイルの配備を開始した。小泉進次郎防衛相は米国製の巡航ミサイル「トマホーク」とノルウェー製の「JSM」(統合打撃ミサイル)の自衛隊への納入が始まったと明らかにした。
防衛省は、国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」の陸上発射装置を最初の配備先となる熊本市の陸上自衛隊健軍駐屯地に搬入。今月中の配備完了を目指している。同ミサイルは名称こそ「地対艦誘導弾」だが、対地攻撃能力も持ち、射程は約千キロと日本本土から近隣国を射程に収める。
静岡県の陸上自衛隊富士駐屯地に射程数百キロの「島しょ防衛用高速滑空弾」を今月中に配備することも発表しており、射程を約2000キロに延ばす改良型の開発も進めている。
防衛省はまた、1万2千トン級の「イージス・システム搭載艦」の1番艦が2025年7月に起工していたことを公表。米国製トマホークや開発中の艦上発射型の12式対艦誘導弾を搭載する計画で、海上自衛隊の主力艦艇になる可能性がある。
東京の国会議事堂。(1月19日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
専門家は、攻撃型兵器の集中的な開発・配備は日本の「専守防衛」が有名無実化した証しだと指摘。樊氏は、日本の一連の軍事的動向は外交・安全保障政策の根底に軍事力至上主義の追求と抑止力の強化があることを示していると述べた。
地域の平和への脅威
日本の防衛力増強と攻撃能力の増強は「再軍事化」の野望を明白に示している。地域の平和と安定を著しく脅かし、日本自身にも跳ね返りかねない。
法政大学の白鳥浩教授は、いわゆる敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルの保有は他国を攻撃する手段を持つことであり、平和主義からの逸脱だと強調。自衛隊の改編や長射程ミサイルの配備などの軍事攻撃能力の強化を続ければ、地域の緊張を一層高めることになると述べた。
盧氏は、日本は戦後体制の制約を打ち破って攻撃的な軍事能力を高めようとするばかりか、米国との「軍事一体化」を目指し、米国の同盟体制強化に協力していると指摘。こうした動きは陣営間の対立を深め、地域の軍拡競争を刺激するとし、皮肉なことに日本は地域の平和と安全の「安定器」を自称していると述べた。
地域の安全を繰り返し損なう日本の一連の軍事的動向に対し、周辺国は高い警戒を維持する必要がある。樊氏は、日本国内で高まるポピュリズム(大衆迎合主義)や排外主義的風潮を見れば、日本の進む道は「ますます危険で、制御不能な様相を呈しつつある」との見方を示した。
日本の有識者は、高市政権は日本が国家として多くの困難に直面しているにもかかわらず、軍事力強化や軍産複合体の支援に固執しているとし、最終的には日本経済の発展と国民の福祉を損ない、日本を危険の瀬戸際に追い込むことになると述べた。
樊氏は、日本が正しい歴史認識を持ち、信義を重んじて約束を守り、隣国と善隣関係を築くことこそ、地域の平和と安定、日本自身の安全のためになる正しい道だと語った。(記者/陳沢安、劉賛、李子越)