
茶葉を焙煎する樊生華さん。(資料写真、杭州=新華社配信)
【新華社杭州3月6日】中国浙江省杭州市に住む国家級無形文化遺産の代表的項目「緑茶製作技法(西湖竜井)」伝承者、樊生華(はん・せいか)さんは、第14期全国人民代表大会(全人代)代表として、北京で始まった全人代年次会議に出席している。樊さんは西湖竜井茶の中心的産地、桐塢(とうお)村で50年以上にわたりチャノキ(茶の木)の栽培に心血を注いできた。この時期、チャノキ枝先には新芽が芽吹き、茶農家の人々は早春の茶畑の畝間(うねま)をゆっくりと歩きながら、茂った枝を注意深く剪定(せんてい)し、近づく茶摘みシーズンに向けて木にたっぷりと養分を蓄えさせている。
名産地で生まれ育った樊さんは、1枚の茶葉が茶農家や産業にとってどれほど重い意味を持つかを深く理解しており、先人から受け継がれてきた昔ながらの製茶技法をとりわけ大切にしている。

西湖竜井の茶葉焙煎の準備工程を行う樊生華さん。(資料写真、杭州=新華社配信)
茶葉の焙煎職人としても全人代代表としても、樊さんの日常は一貫して茶園と茶農家を中心に回っている。代表としての職務期間中、工房で弟子を指導し、焙煎の経験を若い世代に伝え、中高年から若者まで世代間の切れ目ない技術の継承に力を注いできた。また、茶畑に足を運び、産地の生産の実情を把握し、ドローンによる肥料散布やスマート機器を使った管理支援を試行し、茶摘みや焙煎の人手不足緩和に取り組んでいる。
茶農家や茶葉生産・販売業者との長い付き合いの中で、樊さんが何より心を砕いてきたのはブランド保護だった。2024年には、司法の力でブランドイメージを守り、手作業による製茶技法の復興を支援するよう建議した。25年にも法的手段による市場の規範化や技法の保護を通じて茶産業がより安定的に発展できるよう、「法治+(プラス)無形文化遺産」を軸に据えた建議を提出した。

西湖竜井の茶畑で茶葉の生育状況を確認する樊生華さん。(資料写真、杭州=新華社配信)
26年の春節(旧正月)前に行ったフィールド調査の中で、樊さんは杭州市西湖区人民法院がすでに「西湖竜井茶保護共同法廷」を設立し、知的財産保護の仕組みを整え、より多くの地域と連携して銘茶保護の司法協力を強化し、老舗ブランドや伝承者に対してより強力な法的保障を提供している状況を目にした。
現場の実践を踏まえ、樊さんはさらに具体的な建議を提出した。「西湖竜井という老舗ブランドに対する法的保護の範囲を一層拡大し、伝承者や業界団体と司法部門との連携を強化する。また、デジタル技術を活用してトレーサビリティと権利保護を徹底し、越境保護の道を探り、産業チェーン全体を保護することでブランドの基盤の安定を守る」。これら一つ一つの内容には、脈々と続く伝統を守る茶人としての責任感と、業界の発展に対する深い思索が込められている。(記者/段菁菁)