
海南省白沙リー族自治県牙叉鎮の住民に無料診療を行う韋小麗さん(左)。(2月3日撮影、白沙=新華社記者/楊冠宇)
【新華社海口3月5日】中国海南省白沙リー族自治県のリー族の村医、韋小麗(い・しょうれい)さん(44)が、第14期全国人民代表大会(全人代)代表として、北京で始まった全人代年次会議に出席している。20年以上にわたり農村医療に携わってきた経験を生かし、地域の実情を踏まえた提言を準備している。
韋さんが医師を志したのは、幼少期の体験がきっかけだった。その頃、村には十分な医療施設がなく、診察を受けるには町まで行かなければならなかった。ある時、韋さんと弟が同時に高熱を出したが、母親は二人を一度に運ぶことができず、一人ずつ背負って連れて行くしかなかった。その時、「医者になって村のみんなを助けられれば」という思いが芽生えたという。

海南省白沙リー族自治県牙叉鎮の住民に状況を聞く韋小麗さん(中央)。(2月3日撮影、白沙=新華社記者/楊冠宇)
中学卒業後、韋さんは村医の養成に応募した。養成コースが終わった後も、貯金や時間のほとんどを医学の勉強に充て、医療技術の向上に努めてきた。「自分が成長し続けなければ、より多くの人を守ることはできない」と考えているためだ。
韋さんは2023年、第14期全人代代表に選出され、地域医療の担い手として働いてきた経験を基に、政策の提言にも取り組むようになった。24年7月には、白沙リー族自治県医療集団の牙叉社区(コミュニティー)衛生サービスセンター副院長に就任。管轄地域の2万人以上の住民を対象に医療サービスを提供している。

海南省白沙リー族自治県牙叉鎮の住民宅を訪れた韋小麗さん(左端)。(2月3日撮影、白沙=新華社記者/楊冠宇)
村の医療環境は近年、大きく改善された。かつては聴診器、血圧計、体温計が主な医療機器だったが、現在は血中酸素測定器(オキシメーター)、自動体外式除細動器(AED)、心電図装置などが整備され、検査データは上級病院に送信できるようになった。専門医が遠隔で診療や投薬を指導することで、住民は自宅近くでより安全な医療サービスを受けられるようになっている。研修の機会も広がり、農村の医師が都市の大病院で研修を受ける例も増えており、視野と能力の向上につながっている。
韋さんは今年も、基層医療従事者の人材育成などに関する提言を携え、北京で開かれる全人代に臨む。「村医の福利や待遇をさらに改善し、安心して地域に根付いて働ける環境を整えたい」と語っている。(記者/陳子薇、楊冠宇)

海南省白沙リー族自治県の衛生サービスセンターで、同僚らの意見を聞く韋小麗さん(左から3人目)。(白沙=新華社記者/楊冠宇)