25日、26年度香港特区政府財政予算案を発表する財政司の陳茂波司長。(香港=新華社記者/朱煒)
【新華社香港2月26日】中国香港特別行政区政府財政司の陳茂波(ちん・ぼうは)司長は25日、立法会で2026年度(26年4月~27年3月)の財政予算案を発表し、今年の香港経済は引き続き良好な勢いを維持するとの見通しを示した。
陳氏は、今年は第15次5カ年規画(2026~30年)の初年度に当たり、国が推進するハイレベルな双方向の開放に加え、科学技術のブレークスルーとイノベーションが香港に新たな機会をもたらしていると指摘。その上で、香港は第15次5カ年規画と緊密に連携し、地域の実情に即して「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)を育成する必要があると述べた。あわせて、中国本土と海外をつなぎ、人材が集積する強みを生かし、企業の新市場開拓を後押ししていく考えを示した。
また、昨年の香港経済は実質で前年比3・5%増と、3年連続のプラス成長を達成したと明らかにした。公共財政の改善は想定よりも早く、年間の経常収支は黒字に回復。債券発行収入などを含めた総合収支も、見込みより早期に均衡を取り戻したと説明した。
今年の成長率については2・5~3・5%を見込み、基本インフレ率は1・7%、総合インフレ率は1・8%になると予測。中期的には、2027~30年の実質成長率は年平均3%、基本インフレ率は年平均2%との見通しを示した。
予算案では、イノベーションとテクノロジーの発展を後押しする措置として、「AI(人工知能)プラス・産業発展戦略委員会」の設置やAI人材育成の推進、特区政府のデジタル化・スマート化の加速などを打ち出した。
さらに、新型産業の育成に向け、中国本土外では初となる国家製造業イノベーションセンターを香港に建設するための資源の確保するとともに、「新型産業エリート企業育成計画」を立ち上げる方針を示した。
金融分野では、国家の発展戦略に呼応し、人民元の国際化を推進すると表明。人民元業務の資金提供枠の総額を2千億元(1元=約23円)に倍増させるほか、人民元と他地域通貨との外国為替取引におけるレート提示や取引の利便性向上などを進めるとした。
陳氏は「財政状況は全体として明らかに改善している」と述べ、景気循環の中で収支均衡を維持し、公共財政の強靱(きょうじん)性と持続可能性を確保していく方針を強調した。
香港特区の李家超(り・かちょう)行政長官も声明を発表し、予算案は施政報告の方針を具体化する革新的かつ実務的な内容だと評価。国家の第15次5カ年規画と積極的に連携し、イノベーションと金融の力で香港の多角的発展を後押しするとともに、市民生活の向上にも資するものだと述べ、香港経済の好調が続くとの自信を示した。