中国の科学者、凍結や熱に強い安全な新型電池を開発

中国の科学者、凍結や熱に強い安全な新型電池を開発

xhnews | 2026-02-20 15:50:00

エネルギー密度250ワット時/キログラム超の有機パウチ型電池。(資料写真、天津=新華社配信)

 【新華社天津2月20日】中国天津市にある天津大学の許運華(きょ・うんか)教授率いるチームはこのほど、華南理工大学(広東省広州市)の黄飛(こう・ひ)教授のチームなどと共同で、新型の有機正極材料の開発に成功、従来の有機リチウム電池が抱えていた「エネルギー密度の不足」「実用化困難」といったボトルネックを解消した。関連の研究成果は19日、国際学術誌「ネイチャー」のオンライン版に掲載された。

 現在主流となっているリチウム電池の正極材料にはコバルトやニッケルなどの無機鉱物が多く使われているが、こうした材料は資源不足や高コスト、柔軟性の欠如といった複数の課題を抱えている。これに対し、有機電極材料は原料調達方法が幅広く、分子構造を柔軟に設計でき、素材自体にも柔軟性がある。反面、その電池はエネルギー密度の不足や充電速度の遅さといった問題がしばしば発生することが、実用化に向けての大きな壁となっていた。

  こうした課題を解決するため、研究チームは新型導電性高分子材料をベースに、材料中における電子とリチウムイオンの「協調輸送」効率を体系的に制御し、優れた電子伝導性やリチウムイオンの高速輸送能力、高エネルギー貯蔵容量を兼ね備えた有機正極材料の開発に成功した。

有機パウチ型電池の性能を示した図。(資料写真、天津=新華社配信)

 この材料を基に、現在広く使用されているリン酸鉄リチウム電池を上回る、250ワット時/キログラム超のエネルギー密度を持つ有機パウチ型電池を作製した。優れた温度適応能力を示し、零下70度から80度の温度域でも正常に作動するほか、良好な柔軟性と安全性も備えていた。

 実験では、電極は折り曲げや引っ張り、圧迫などの状況でも破損せず、電池容量も低下しないことが確認された。また、研究チームが試作したパウチ型電池は、強度を試す厳しい針刺し試験に合格し、安全性が実証された。

 今回の成果について許氏は、将来の「グリーン(環境配慮型)電池」開発に向けた材料面での重要な基盤を築くと強調。柔軟性という特性は、フレキシブルエレクトロニクスやウエアラブルデバイスなどの分野に新たなエネルギー貯蔵ソリューションを提供するとの考えを示した。

 研究チームは現在、技術の実用化や産業化に向けた取り組みを加速させている。有機パウチ型電池の生産ライン構築を目指し、商業利用のビジョンを積極的に模索している。(記者/張建新、栗雅婷)

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