
実装を終えた集積光量子通信チップを示す研究者。(北京=新華社配信)
【新華社北京2月20日】量子チップと量子ネットワーク技術で大きな進展があった。国際学術誌「ネイチャー」はこのほど、中国の研究チームが集積光量子チップを基盤とする大規模量子鍵配送(QKD)ネットワークを構築したとする成果をオンラインで発表した。20のチップユーザーによる並列通信に対応し、ネットワーク距離は最大3700キロに達するという。チップユーザーの規模とネットワーク能力の両面で国際的なトップレベルにあるとしている。
量子鍵配送は、量子状態を利用して暗号鍵を共有し、通信の安全性を確保する技術だ。中でも「ツインフィールド量子鍵配送」は長距離通信に適し、検出器を複数ユーザーで共有できるといった利点がある。しかし光源や変調器に極めて高い性能が求められるため、ハードウエアのチップ集積化が課題となってきた。このため、これまでは主に点対点での応用が中心で、多数ユーザーによる大規模なネットワークの実現は容易ではなかった。
北京大学物理学院の王剣威(おう・けんい)教授、中国科学院の龔旗煌(きょう・きこう)院士らが率いる研究チームは、高性能で多機能な集積光量子チップを開発し、これを用いて20の量子チップノードからなるツインフィールド量子鍵配送ネットワークを構築した。
王氏は、光量子チップを基盤とする量子鍵配送ネットワークの実証は、この分野で20年以上続く研究の中で世界初の成果だと説明した。実験では、同チームが開発したチップがウエハーレベル製造において高い均一性を示し、低コストでの量産が見込めることが確認された。より長距離でユーザー数の多いネットワーク構築のための基盤技術になるとしている。
王氏は「量子鍵配送チップネットワークは、システム小型化や実用化に向けた重要な道筋の一つだ」と述べ、高性能で低コストな光量子チップが量子ネットワークの応用拡大に寄与する可能性を指摘した。(記者/魏夢佳)