南鳥島沖でレアアース泥回収試験 商業化には高い壁

南鳥島沖でレアアース泥回収試験 商業化には高い壁

xhnews | 2026-02-06 21:05:15

 【新華社東京2月6日】深海からのレアアース(希土類)採掘を目指す日本の研究チームは2日、日本最東端の南鳥島付近の排他的経済水域(EEZ)で、深海探査船「ちきゅう」を用い、レアアースを含む可能性のある泥を海底から引き揚げる試験に成功したと発表した。一方で、多くの専門家は、海底をレアアースの供給源とすることについては依然として慎重な見方を示している。

 南鳥島沖での海底資源採掘は、技術やコスト、環境への影響など、さまざまな制約に直面しており、産業化に向けた課題は多いとされる。

 ▽輸入依存脱却を模索

 海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」は1月12日、南鳥島沖の日本のEEZで「レアアース泥採鉱システム接続試験」を実施するため、静岡県清水港を出航した。同17日に現地海域に到着し、30日にレアアース泥の回収作業を開始、2月1日早朝に初めて泥を引き揚げた。

 レアアースの供給を輸入に大きく依存してきた日本は、安定供給を確保するため、供給源の多様化を進めてきた。ただ、その道のりは容易ではない。英誌「エコノミスト」によると、かつて日本企業2社が豪レアアース大手ライナスの株式を大量に取得したものの、同社鉱山から産出される重レアアースが日本に届くまでには、昨年10月まで時間を要した。

 ライナスは採掘したレアアースの多くをマレーシアで加工している。みずほ銀行のデータによれば、2020~24年に日本がマレーシアから輸入したレアアースの平均価格は、他国の同等製品を大きく上回った。軍需品を生産する企業であれば高コストを受け入れる余地はあるが、競争の激しい民生分野では採算確保が難しいとの指摘もある。

 南鳥島沖でのレアアース泥採掘プロジェクトは、日本政府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環で、「レアアースの国産化に向けた一歩」と位置付けられている。海洋研究開発機構は、順調に進めば27年2月に採掘試験を正式に開始する計画だとしている。

 ▽山積する課題

 ただ、産業化への道のりは遠いとの見方が強い。中国科学院海西研究院アモイレアアース材料研究センターの楊帆(よう・はん)研究員は、現在の日本側の方式は短期的な検証や試験には適しているものの、長期的な稼働や産業化には課題が多いと指摘する。

 深海では巨大な水圧や強い腐食環境に耐える必要があり、採掘装置や海底から泥を引き揚げるパイプを安定的に運用するには高い技術的ハードルがある。運用時のエネルギー消費も、得られる資源の価値と見合っていないという。

 さらに、仮に海底からレアアース泥を採掘できたとしても、成分が複雑なため、後処理にかかるコストも無視できない。日本のレアアース精製技術は世界最高水準とは言えず、供給量、コスト、品質の各面で、国内需要を満たすには時間を要するとみられている。

 ▽環境への影響に懸念

 海底レアアース採掘は、底生生物や深海生態系に不可逆的な影響を及ぼす可能性も指摘されている。楊氏は、海底レアアース泥の放射線レベルは一般に陸上鉱床より低いものの、リスクがゼロではなく、大規模な海底開発が漁業資源や海洋生態系に与える影響は軽視できないとする。

 オーストラリア放送協会(ABC)によると、多くの環境保護団体や太平洋島しょ国は、海底採掘が海洋生物の生息地を破壊し、食物連鎖を汚染するほか、大規模な堆積物の拡散を招く恐れがあるとして、強い懸念を表明している。

 また、レアアースの精練過程における環境負荷も課題だ。東京大学の岡部徹教授は日本メディアに対し、精練過程で生じる大量の廃棄物の処理方法は、いまだ十分に確立されていないと指摘した。

 専門家の間では、今回の南鳥島沖でのレアアース泥回収は、あくまで技術の検証の段階にとどまるとの見方が大勢を占めている。将来的に限定的な商業化が実現した場合でも、国の補助金への依存度が高く、市場競争力に基づく持続的な採掘は難しいとの指摘が出ている。(記者/銭錚、胡暁格)

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