21日、中国科学院物理研究所の実験室で、強誘電体薄膜の堆積実験を行う研究者。(北京=新華社記者/金立旺)
【新華社北京2月1日】中国科学院物理研究所(北京市)の研究チームがこのほど、蛍石構造の強誘電体材料の中に1次元の電荷を帯びたドメイン(領域)壁を発見した。厚さと幅はいずれも髪の毛の太さの数十万分の1で、超高密度デバイスを開発する上での科学的基礎になるという。
極小の機能構造によるデバイス記憶密度の大幅な向上は、物質科学と情報技術が交わる最先端の研究領域とされる。
21日、中国科学院物理研究所の実験室で撮影した強誘電特性測定用のコンデンサーサンプル。(北京=新華社記者/金立旺)
強誘電体材料は特殊な結晶材料で、外部電場が作用せずとも内部の正負電荷が自発的に分離して規則的に並ぶ。分離の向きが一致する領域が強誘電ドメインと呼ばれ、ドメイン壁は異なる強誘電ドメイン間の界面に当たる。学術界ではこれまで、3次元結晶中のドメイン壁は必ず2次元の面になると考えられてきたが、今回の研究は従来の認識を覆した。
21日、中国科学院物理研究所の実験室で、強誘電性能のテストを行う研究者。(北京=新華社記者/金立旺)
研究チームによると、強誘電体材料は情報の記憶やセンシング、人工知能(AI)などへの応用が期待される。1次元の電荷を帯びたドメイン壁を利用すれば記憶密度は約数百倍に高まり、理論上は1平方センチ当たり約20テラバイト(TB)になるとされる。切手大のデバイスに高精細の映画1万本、または高精細の短編動画20万本が記録できることになる。研究成果をまとめた論文は1月23日、国際学術誌サイエンスに掲載された。(記者/劉禎)
21日、中国科学院物理研究所の実験室で、実験プランについて話し合う研究者。(北京=新華社記者/金立旺)
21日、中国科学院物理研究所の実験室で実験中の強誘電体薄膜のサンプル。(北京=新華社記者/金立旺)
21日、中国科学院物理研究所の実験室で撮影に応じる研究者ら。(北京=新華社記者/金立旺)
21日、中国科学院物理研究所の電気特性測定装置の中でテストを待つ強誘電体コンデンサーのサンプル。(北京=新華社記者/金立旺)