中国貴州省のトン族集落、無形文化遺産で農村振興

中国貴州省のトン族集落、無形文化遺産で農村振興

xhnews | 2026-01-30 09:19:15

15日、肇興侗寨で刺しゅう職人と藍染の布を作る陸勇妹さん(右)。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 【新華社貴陽1月30日】中国貴州省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州黎平(れいへい)県のトン族集落、肇興侗寨(ちょうこうとうさい)を訪れると、提灯で彩られた通りが春節(旧正月)前の雰囲気を盛り上げていた。集落の一角では、省級無形文化遺産「トン族藍染技術」の代表的伝承者、陸勇妹(りく・ゆうまい)さんが観光客に絞り染めの手順を説明している。藍色に染まる白い布地。藍地に浮かび上がる白の文様が、革新を重ねながら受け継がれてきた伝統の技を物語っていた。

 陸さんと藍染めとの関わりは幼い頃にさかのぼる。物心ついたころから祖母と母について回り、糸紡ぎや機織り、刺しゅうを学んだ。祖父の藍染め工房では侗布の藍染め技術の奥深さに触れ、簡単に見えつつも数多くの技法を要する工程を身につけていった。

15日、肇興侗寨で、陸勇妹さんのろうけつ染め作品を見る外国人観光客。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 肇興侗寨の藍染め技術は一時、継承の危機に直面した。時代の変化とともに多くの若者が出稼ぎに出るようになり、古い技を受け継ごうとする人が減った。危機感を募らせた陸さんは、革新の力で伝統技術に新たな活力を生み出そうと起業の道を歩み始めた。

 2014年に黎平県侗品源伝統工芸農民専業合作社(協同組合)を設立すると、10年以上にわたる取り組みで当初7人だったメンバーも200人を超えた。

 合作社の工房では、濃淡の異なる藍色の布を組み合わせた展示が集落観光の撮影スポットになっていた。土産物を買い求める外国人観光客の姿も多く見られた。

15日、肇興侗寨で、製品をライブ配信で販売する陸勇妹さん(左端)。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 合作社の生産額は25年に2千万元(1元=約23円)に達したが、陸さんが現状に満足することはない。「SNSの運営チームを立ち上げ、デジタルと無形文化遺産を組み合わせたイノベーションプロジェクトを進めていく。ライブコマースやショート動画などを通じて店舗とオンラインの販売網を広げ、より多くの人にトン族集落の無形文化遺産製品を知ってもらい、買ってもらいたい」と語り、今後は有名ブランドやデザイナーと提携して高級オーダーメイド商品も開発し、製品の品質と付加価値を高めていく考えを示した。

 肇興侗寨ではここ数年、農村観光産業のスキル研修、無形文化遺産伝承者の育成強化、農産物や特産品のライブ配信拠点の設置などを通じて60社の伝統手工芸企業が生まれた。ホテルや民宿、飲食店は430店舗を超え、村民2千人以上の雇用と起業を後押ししている。(記者/周宣妮)

15日、肇興侗寨で刺しゅう職人と蝋画を描く陸勇妹さん(右から2人目)。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

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