
20世紀初頭に旅順で撮影された鴻臚井碑と碑亭。(上海=新華社配信)
【新華社上海1月17日】中国上海市で16日、日露戦争後に日本が旅順(現在の遼寧省大連市旅順口区)から持ち去った唐代の石碑「鴻臚井碑(こうろせいひ)」に関する資料をまとめた「唐鴻臚井碑档案(とうあん)文献総匯(そうかい)」が刊行された。
上海大学中国海外文物研究センターなどが編さんし、旅順や日本で撮影された石碑の写真や碑文の拓本、建立から日本に持ち去られるまでの公文書・史料、20世紀以降の国内外研究者による研究成果など、現存する鴻臚井碑関連の全ての資料を体系的に整理し、碑のさらなる研究と返還要求に向けて、包括的で系統的かつ信頼性の高い史料・文献基盤を整えた。
鴻臚井碑は714年に建立され、唐の朝廷の特使が勅命によって東北少数民族「靺鞨(まっかつ)」の首長を冊封したことが記されている。同地域が唐王朝の版図に属したことを明確に示す重要な歴史的物証とされるが、日本軍旅順鎮守府が1908年4月末以前に石碑と1896年建設の碑亭を解体して船積みし、不法に日本へ運んだ。中国の関連政府部門や研究者、市民団体、日本の有識者らが石碑の中国への返還に向けて努力を続けてきた。
書籍の発刊式典では、編さん委員会が日本の文化関連団体の代表に同書を贈呈。双方は共同宣言を発表し、日本政府が歴史的事実を尊重し、流出文化財の本来の所有国への返還という国際的な共通認識に従い、歴史の過ちを正し、鴻臚井碑を早急に返還するよう呼びかけた。