豊京遺跡・新旺骨器工房跡出土の骨笄。(資料写真、西安=新華社配信)
【新華社西安1月16日】中国社会科学院考古研究所が中心となって発掘する陝西省西咸新区の豊京遺跡で、新たな発見があった。遺跡の新旺骨器工房跡で42カ所の遺構を発掘し、遺物395点(組)が出土したことが13日、分かった。出土した骨笄(こつけい=骨製かんざし)からは、西周時代の女性の成人儀礼で用いられた器物の製作工程が明らかになった。
豊京遺跡は周の文王が築いた都城遺跡で、今回発掘した新旺骨器工房跡は西咸新区新旺村の南西に位置する。中国社会科学院考古研究所の付仲楊(ふ・ちゅうよう)研究員によると、発掘した42カ所の遺構には西周時代の墓3基、灰坑19カ所、井戸2カ所が含まれ、その上層には漢代から明清時代にかけての各種遺物や遺構、痕跡が堆積していた。
395点(組)の出土遺物のうち159点が骨器で、今回の発掘の注目点となった。考古学者らは、骨笄が骨器工房の主な製品だったとの見方を示している。骨笄は動物の骨で作った髪飾りで、西周時代には女性の成人儀礼で髪をまとめ、髷(まげ)を留めるために用いた。

豊京遺跡・新旺骨器工房跡出土の骨匕。(資料写真、西安=新華社配信)
工房では、骨笄のほかにも骨匕(こつひ)や骨針、鹿角刀などの生活道具、角製矢尻などの武器も生産されていた。考証の結果、工房の年代はおおむね西周後期だと分かった。
特に貴重な発見となったのは、井戸と骨材坑の遺構から出土した骨笄の材料や半製品、不良品で、これらの出土位置や種類は工房の製作工程を知るための直接的な物証となった。付氏は、骨器工房は複数の独立した生産単位からなり、単位ごとに比較的専門化された分業が存在していたと推測できるとし、分業と工程が明確な3千年近く前の骨器の「生産ライン」といえると述べた。
新旺骨器工房跡の発掘成果は、西周時代における手工業生産の組織モデルや技術発展レベルを研究する上で新たな実物証拠をもたらし、西周の都城遺跡の考古学研究に重要な実証を加えた。(記者/楊一苗)