東京都内の飲食店で食事をする観光客。(2025年11月17日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
【新華社東京1月15日】中国人観光客の減少が、日本の観光業や小売業に影響を広げている。日本の経済学者でインフィニティ合同会社チーフエコノミストの田代秀敏氏は、影響が持続すれば日本経済にさらなる下方圧力をもたらすと指摘する。例えば鎌倉では、外国人観光客のうち中国人が半分以上を占めてきたが、その減少により、地元の土産物店の経営は厳しい局面に直面しているという。
こうした状況の背景には、昨年末からの中日関係の冷え込みがある。昨年11月、高市早苗首相は国会答弁で、安全保障関連法の「存立危機事態」を巡り、台湾問題に関する挑発的な発言を公然と行った。これに対し、中国側は厳正な申し入れと強烈な抗議を行い、中国人観光客の動向にも影響が広がった。
東京都内の東日本国際旅行社の謝善鵬(しゃ・ぜんほう)社長によると、昨年12月以降、同社が扱う中国からの政府代表団や修学旅行、企業の社員旅行などの団体旅行は、すべてキャンセルされたという。「予約金を支払い済みでも、違約金を払ってでも、どうしてもキャンセルしたいと言われた」と話す。個人旅行のキャンセルも相次ぎ、1月に入ってからの問い合わせはほぼゼロの状態が続いている。中国人観光客を専門に扱うバス会社は「無給休暇」となるケースも出ており、中国人客の減少の影響は観光産業全体に広がっている。
東京都内のカフェを利用する男性。(2025年11月17日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
観光業を基幹産業として発展させてきた関西では、影響がより顕著だ。大阪観光局がまとめた調査では、同局の賛助会員となっているホテル20軒で、昨年12月末までの中国人宿泊予約のうち5~7割がキャンセルされた。関西国際空港を運営する関西エアポートは、今年1月から3月にかけ、同空港を発着する中日間のフライトが当初計画比で28%減少するとの見通しを示している。
影響は小売業にも波及している。全国百貨店の昨年12月の免税売上高は、軒並み前年同月を下回った。大丸松坂屋百貨店は16・6%減、高島屋は11・1%減、三越伊勢丹は15・8%減と、いずれも2桁の減少となっている。
田代氏は「人口が少ない地域では、外国人観光客が地域経済の活性化や雇用の支えとなってきた」とした上で、「これまで中国人観光客を主に受け入れてきたホテルが休業に追い込まれれば、地域経済に直接的な打撃となる」と分析している。(記者/彭純、胡暁格)