中国の研究者、「ステルス」腫瘍細胞を可視化する技術開発

中国の研究者、「ステルス」腫瘍細胞を可視化する技術開発

xhnews | 2026-01-14 23:46:15

フローサイトメーターを用い、学生とiVACの免疫活性化の程度を測定する北京大学未来技術学院副院長の席建忠教授(左)。(2025年9月9日撮影、北京=新華社配信)

 【新華社北京1月14日】中国の科学者チームはこのほど、新型のタンパク質標的分解技術を生み出し、「腫瘍内ワクチンキメラ分子(iVAC)」と呼ばれる新型分子を腫瘍細胞内に送り込むことに成功した。免疫監視を逃れた「ステルス」腫瘍細胞に目印を付けて可視化できるだけでなく、免疫応答を活性化でき、がんの免疫寛容という医学的難題の克服に新たな道筋を示した。研究成果をまとめた論文は8日、英科学誌ネイチャー電子版に発表された。

 研究者によると、一部の腫瘍細胞は免疫系の監視網をすり抜け「透明マント」をまとったかのような状態になる。従来の免疫療法では、こうした目印を欠き、正常細胞に紛れ込む腫瘍細胞に対して適切な標的を定められず、治療の効果が出にくかった。

微小腫瘍モデルを使い、学生とiVACのT細胞活性化とがん細胞殺傷効果を検証する北京大学未来技術学院副院長の席建忠教授(右)。(2025年7月15日、北京=新華社配信)

 北京大学化学・分子工程学院の陳鵬(ちん・ほう)氏のチームは、同大未来技術学院の席建忠(せき・けんちゅう)副院長のチームや深圳湾実験室(広東省の研究所)のチームと共同で、タンパク質を工学的に改変し、新型分子iVACを開発した。iVACは細胞表面の特定の受容体に依存せず腫瘍細胞内に入り、免疫細胞の活性化を抑えるPD-L1タンパク質を破壊できるほか、研究チームが選別した抗原を搭載し、腫瘍細胞内で「再プログラム化」された後に免疫応答活性を持つ断片へと加工され、腫瘍細胞表面に提示される。これにより腫瘍細胞の目印になるという。

 iVAC分子が緻密な固形腫瘍の内部を行き来し、内部に浸透できることも、良好な抗腫瘍効果が得られるもう一つの大きな理由となっている。席氏は「今は臨床応用に向けた取り組みを積極的に進めている。今後は患者ごとの状況に応じて、短いサイクルでの反復改良を通じて個別化と汎用型のがんワクチンを作り出し、がん患者に新たな治療の希望をもたらしたい」と語った。(記者/魏夢佳)

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