
侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館が公開した731部隊ハイラル支隊加藤恒則隊長の供述資料。(ハルビン=新華社配信)
【新華社ハルビン12月28日】旧日本軍731部隊の罪行を今に伝える中国黒竜江省ハルビン市の侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館は27日、部隊の犯罪を示す新たな証拠として、同部隊ハイラル支隊の加藤恒則隊長の供述書を公開した。
供述書は、ロシア・ザバイカリエ地区のプーシキン科学図書館が、ロシア連邦保安庁(FSB)同地方支局所蔵の原本の機密解除を申請して入手。今年2月に侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館に寄贈した。

侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館が公開した731部隊ハイラル支隊加藤恒則隊長の供述資料。(ハルビン=新華社配信)
1948年2月17日に作成され、加藤が旧ソ連のチタで逮捕された後の供述が記されている。自筆の日本語とロシア語訳からなり、身上調書や個人情報登録表、罪行の詳細な陳述が含まれる。第543支隊(ハイラル支隊)の最後の隊長だった加藤は、専門的な医学知識を持ち、731部隊の主要な犯罪行為に直接関与した高級軍医だった。
731部隊の組織体制と職務分担も詳細に記されていた。加藤の供述によれば、部隊はハルビンの「平房特別軍事区域」に約3千人が駐屯していたほか、牡丹江と林口、孫呉、ハイラル、大連に五つの支隊があり、本部から部門、さらに支隊というネットワークを形成していた。
加藤の供述によると、731部隊は「特設監獄に約200人の中国人捕虜を収容」し、炭疽や腸チフス、ペストなどさまざまな病原菌の効果検証を含む実験を行った。「全ての研究は生体実験を伴った」とも明言している。

侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館が公開した731部隊ハイラル支隊加藤恒則隊長の供述資料。(ハルビン=新華社配信)
供述書には、ハイラル支隊の当初の設立目的が「対ソ細菌戦の前進拠点」だったことも明記されていた。約120人編制で、表向きは防疫や水のろ過装置の維持管理だったが、実際には実験用マウスの飼育やノミの培養を中心とする極秘任務に従事し、例えば、細菌戦での病原体拡散用に燃料用ドラム缶とマウスで毎月10キロのノミを培養していた。
侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館の金士成(きん・しせい)宣伝教育・展示部主任は、今回公表された資料の高い史料的価値と学術的意義を指摘。49年12月のハバロフスク裁判の前段階の尋問の詳細を補完するものだと述べた。
金氏によると、加藤は戦後、自らの犯罪関与を隠蔽(いんぺい)したほか、支隊の機能を過小に見せかけてソ連を欺き、軍事裁判を免れた。今回の資料は彼の歴史的虚偽を暴いた。
供述書には、1945年6月に東京から細菌戦準備の中止命令が出たことも記されていた。この事実は、細菌戦が一部の将校による狂気の沙汰ではなく、日本軍上層部の統一的な指揮による国家行為であったことを直接裏付けており、残虐行為を否認する日本の右翼勢力の言論に対する強力な反証となる。(記者/楊思琪)