【新華社北京12月27日】中国科学院宇宙応用工程・技術センターは27日、宇宙で飼育した実験用マウス4匹のうち、地球に戻ってから妊娠した雌が10日早朝に赤ちゃん9匹を出産したと明らかにした。うち6匹が現在も生存しており、生存率は通常の範囲内という。
「宇宙マウス」は10月31日に有人宇宙船「神舟21号」で打ち上げられ、中国の宇宙ステーション内の小型哺乳類飼育装置で育てられ、宇宙環境下での生存と適応の様子が観察された。
11月14日、マウス4匹は宇宙飛行士と共に帰還し、同18日に計画通り北京へ戻った。これにより中国は、事前の準備、宇宙ステーションでの軌道上実験からサンプルの回収など、哺乳類を用いた宇宙実験全プロセスの技術ソリューションを初めて完遂したことになり、将来のより大規模な哺乳類の宇宙科学実験に強固な基盤を築いた。
現在、母マウスの養育行動に異常は見られず、赤ちゃんマウスの健康状態にも問題はない。中国科学院動物研究所の王紅梅(おう・こうばい)研究員は「今回の任務は、短期間の宇宙飛行がマウスの生殖能力にマイナスの影響を与えないことを証明すると同時に、宇宙環境が哺乳類の生命初期の発達に与える影響を研究するための極めて貴重なサンプルを提供した」と述べた。