
中国国防部の張暁剛報道官。(北京=新華社配信)
【新華社北京12月26日】中国国防部の張暁剛(ちょう・ぎょうごう)報道官は25日の記者会見で、米国防総省がこのほど発表した中国の軍事・安全保障動向に関する年次報告書について、「中国の軍事的脅威」をあおって国際社会をミスリードするものだとし、強い不満と断固反対を表明した。
張氏は次のように述べた。米国の報告書は、中国の内政に乱暴に干渉し、悪意をもって中国の国防政策を曲解している。根拠もなく中国の軍事力の発展を憶測し、中国軍の通常の行動を誹謗中傷するもので、誤った認識と地政学的偏見に満ちている。「中国の軍事的脅威」をあおって国際社会をミスリードしており、中国は強い不満と断固たる反対を表明する。
中国が防御的な国防政策を揺るぎなく掲げ、積極的防御の軍事戦略を堅持し、国防と軍の近代化をハイレベルで推進しているのは、国家の主権、安全、発展の利益を守るためにほかならず、常に世界の平和の力、安定の力、進歩の力となっている。中国軍はグローバル安全保障イニシアチブを積極的に実践し、国内法と国際法を厳格に順守して行動し、道理と利益を踏まえ節度をもって自らの正当な権益を守るとともに、国際安全保障のための公共財の提供に尽力し、各国軍と手を携えて人類運命共同体の構築を推進している。
台湾は中国の台湾であり、台湾問題をどのように解決するかは中国人自身の問題だ。中国人民解放軍が国家主権と領土の一体性を守り、「台湾独立」を阻止し統一を促すことは道理にかなった正当な行為であり、決して手を緩めることなく、米国の横やりも許さない。中国は南中国海の島礁およびその周辺海域に対し、争う余地のない主権を有している。域内の一部の国による権利侵害や挑発、域外勢力による介入やかく乱、扇動に対し、中国は自らの領土主権と海洋権益を断固として守る。これは正当かつ合法であり、理性的で自制的でもある。
指摘しておくべきなのは、米国が同盟国の海軍力や空軍力を動員し、中国の玄関口にあえて近づいて挑発行為を繰り返しているということだ。これに対して中国軍が必要な措置を取って対処することに非難の余地はない。米国とその同盟国が一切の危険な挑発行為をやめることこそが、海域と空域における不測の事態を回避する根本策である。中国は米国に対し、中国への正しい認識を持ち、中国と中国軍の発展を客観的に捉え、虚偽の言説をでっち上げるのをやめ、対立と対抗をあおることをやめ、両国・両軍関係を誤った方向に導かないよう促す。