
22日、福建潯興拉鏈科技のスマート化立体倉庫。(晋江=新華社記者/許芸潁)
【新華社晋江12月25日】中国福建省にある晋江という都市の名を耳にしたことがなくても、多くの人がおそらく、ここで作られた製品を毎日使っている。晋江市の貿易額は安定した増加を続け、繊維製品や靴、衣料品などの中核製品の輸出比率は業界上位を維持している。「晋江製造」(Made in Jinjiang)は世界の100以上の国・地域に進出している。
晋江の輸出は、実業に根差した川上から川下に至る産業の集積が支えている。生地分野で30年以上の実績を持つ向興集団は、研究開発から製織、染色、仕上げ、販売までを手掛け、製品の3割を輸出している。欧米を中心にフランスの総合スポーツメーカー、デカトロンなどの有名ブランドを顧客に持つ。向興集団と並び晋江の産業の中核を担う信泰(福建)科技は靴・衣料向け繊維の新素材開発に注力し、整った製造・供給体制と厳しい品質管理の下で新製品を継続的に投入。海外受注の比率を6割に高めた。

22日、向興集団の製品展示ホールの一角。(晋江=新華社記者/許芸潁)
異なる分野の企業ストーリーからは、晋江の輸出の多様な取り組みが見て取れる。国内最大、世界2位のファスナーメーカー福建潯興拉鏈科技は、世界の多くの服飾ブランドにファスナーを供給している。500以上の特許を持つほか、自動化生産設備6千台(組)余り、輸入検査設備200台以上からなる検査センターを備え、中国発のインターネット通販「SHEIN(シーイン)」やアウトドアブランド「駱駝(キャメル)」、デカトロンなどの有名ブランドにサービスを提供している。
「中国の傘の都」と呼ばれる晋江市東石鎮にある集成傘業は、技術革新により固定観念を打ち破り、紫外線カット率99・9%の日傘を開発することで「普通の傘」をファッショナブルな「科学技術製品」へと向上させた。製品の7割は日本に輸出され、日本の輸入傘市場の4割を占める。中でも環境に優しいバイオプラスチック製の傘はトップシェアを誇る。

20日、集成傘業の工場で作業をする従業員。(晋江=新華社配信/肖和勇)
輸出の安定した伸びは、市の商務局の全面的な支援と切り離せない。同局は部門間の協調を深め、通関の円滑化や航空路線網の拡充など実務的取り組みを通じて通関・物流の基盤を強化。また、5億元(1元=約22円)規模の産業支援策を打ち出し、海外展示会に参加する企業に助成金を支給するほか、出入境手続きの簡素化などを通じて市内企業の海外進出を支援している。
ファスナーから生地、傘、靴に至るまで、同市で製造された製品は消費者の気づかないところで、世界の商品流通システムに深く組み込まれている。(記者/許芸潁、程立葳)