「中国琉球文献史料集成」全7巻 中琉交流の緊密さ示す

「中国琉球文献史料集成」全7巻 中琉交流の緊密さ示す

新華社 | 2025-12-17 19:18:45

2024年7月に刊行された「中国琉球文献史料集成」(全7巻)。(北京=新華社配信)

 【新華社北京12月17日】中国と琉球の交流史を体系的に示す史料集「中国琉球文献史料集成」(全7巻)が、中国国家出版基金プロジェクトの助成を受け、寧波出版社と復旦大学出版社から共同刊行されている。国内に現存し、すでに刊刻、整理、出版されている琉球王国に関する文献150種余り、280万字近くを収録。琉球の歴史や文化、中国との交流史の研究に、幅広い視点と豊富な一次資料をもたらしている。

 復旦大学出版社の社長兼総編集長を務めた賀聖遂(が・せいすい)氏は退職後、ほぼすべての精力を「中国琉球文献史料集成」の編集作業に注いだという。「中国と琉球の公的・民間交流に関しては、隋代以降1400年余りにわたって豊富な文献が存在している。中国と琉球の友好関係の歴史の長さには感嘆を禁じ得ない。中国の政治や文化、経済は歴史上、琉球の発展にかけがえのない役割を果たした」と語る。

 史料集は主に四つの部分からなる。①歴代朝廷の琉球使節に関する記述(使節派遣記録・琉球関連地史誌16種、詩文集6種類)②歴代朝廷の琉球に関する専門書(経部1種、史部正史類5種、別史類2種、雑史類2種、奏議類1種、地理類21種、職官類1種、政書類6種、子部2種)③「明実録」「清実録」「籌辦夷務始末(ちゅうべんいむしまつ)」中の関連史料④史書、専門書、詩文集、筆記、公文書などに散見される琉球関連の記載・論述(唐代3種、明代44種、清代46種)。

 明朝は琉球が洪武5(1372)年に朝貢を開始して以降、たびたび琉球に使節を派遣し、後続の清朝も派遣を続けた。史料集第1部には、この時に派遣された使臣とその幕僚が作成した記録や、琉球に関する誌書、雑記、詩文が収録されている。

 賀氏はこの史料について「作者が現地に赴いて自ら見聞きしたものだ。中国人が琉球について書き記した最も信頼性が高く全面的な文献と言える」と指摘。「これらの使節記録や史誌は、両国の交流における進貢や冊封、文化交流、航路などを記録すると同時に、琉球国の政治や官制、民俗、自然、祠廟(しびょう)、学校なども紹介している。中国・琉球両国の緊密な関係を裏付ける一次的な見聞資料だ」と語った。

 遠い海で隔てられた中国と琉球の交流史は、造船や航海技術の発展とほぼ軌を一にしている。歴代の使節記録に見られる、造船材料や船の規模・構造、航路、羅針盤や砂時計など航海に用いた計器に関する記述はいずれも、航海史・造船史にとって貴重な資料となる。使節が経由した航路の記載、釣魚島などの島嶼(とうしょ)や中国と外国の海域の境界線に関する記述は、現在の中国の領海を画定する上での揺るぎない証拠となっている。(記者/張建松)

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