ロシアの機密解除資料、日本の戦争犯罪の裏付けに 中国南京大・呂晶副研究員

ロシアの機密解除資料、日本の戦争犯罪の裏付けに 中国南京大・呂晶副研究員

新華社 | 2025-12-15 22:43:30

14日、取材に応じた南京大学歴史学院の呂晶副研究員。(南京=新華社記者/陳雨寧)

 【新華社南京12月15日】中国の中央檔案館(公文書館)は12回目の南京大虐殺犠牲者国家公祭日(追悼日)に当たる13日、旧日本軍の細菌戦部隊「731部隊」に関する資料を公開した。旧ソ連が作成した尋問記録などで、ロシアで機密解除され中国に引き渡された。歴史の真実を改めて浮き彫りにする争う余地のない証拠になる。資料の公開を受けて新華社の取材に応じた南京大学歴史学院の呂晶(りょ・しょう)副研究員(細菌戦問題)は、日本の戦争犯罪を暴く直接的証拠であり、中国侵略戦争期間の日本の細菌戦が組織的で計画的な行為であったことを証明していると述べた。

 731部隊の隊員に対する尋問記録や犯罪調査報告書、旧ソ連側の内部書簡や電報などで、一部の尋問記録は今回が初公開となった。資料の証拠は一貫性があり、取り調べを受けた戦犯には旧日本軍の上級・中級・下級将校や関係者が含まれる。ソ連の医学など各分野の専門家による鑑定記録も含まれ、戦犯らは国際条約違反や細菌戦の準備・実行に関する罪を認めていた。

 呂氏は、ロシアから引き渡されたこれらの資料は中国侵略戦争時の日本の細菌戦が組織的で計画的な国家レベルの軍事行動であり、最大の目的は侵略戦争を支援し、日本の対外拡張の野望を後押しすることにあったと指摘した。

 資料に含まれる詳細な供述や医学実験の報告書などは、いずれも旧日本軍の非人道的な犯罪行為を裏付けているとし、軍国主義の蛮行を暴くとともに、侵略の歴史を風化させ、戦争の事実を美化する一部の右翼政治家の誤った言説に反論する最も直接的な証拠となり、国際社会の歴史に対する共通認識を示していると説明。第三者による資料として、われわれが細菌戦の世界的影響を国際的視点から検証し、歴史の本質を多角的に理解するための重要な支えになるとの考えを示した。

 中央檔案館が公開したこれらの史料のほか、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(江蘇省南京市)も今年、さまざまな国や立場の人々から、日本の中国侵略戦争に関する遺物や史料573点(組)を収集した。呂氏は、国際社会と民間の人々が共同で史料を発見し、公開する過程は、この時代の歴史が世界から幅広い注目を集めていることを示し、同時に歴史の真相に対する人々のあくなき追求を反映していると指摘。歴史の正義に対する人々の関心は、社会全体がより客観的、包括的に歴史の真実を認識し、歴史の本来の姿を明らかにするのに役立つとし、多様な史料の出現もまた、学術界が歴史の細部を補完し、空白を埋める上で大きな役割を果たしていると語った。

 侵略の歴史を隠そうとする日本国内の右翼勢力のさまざまな誤った行為については、一部の右翼政治家の誤った主張の本質は歴史的事実を否定し、侵略を正当化しようとする企てだとし、歴史的事実を認めることは自己否定ではなく、過去の行いに対する必要な反省であり、より深い反省こそが将来の発展をより促進することになるとの考えを示した。(記者/方芸暁、陳雨寧)

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