11日、東京で開催された南京大虐殺証言集会で発言する、集会主催者の市民団体「ノーモア南京の会」代表。(東京=新華社記者/李子越)
【新華社東京12月13日】今年は南京大虐殺から88年に当たり、13日には12回目の国家公祭日(追悼日)を迎えた。東京都内では11日夜に関連の集会が行われ、100人以上の参加者が証言と映像記録を通してかつての戦争の惨劇と改めて向き合った。
集会を主催した日本の市民団体「ノーモア南京の会」は長年にわたり、毎年12月13日前後に東京などの都市で南京大虐殺の証言集会の開催を続け、日本社会が侵略の歴史に真剣に向き合うよう働きかけている。今年は映像ディレクターの原義和さんを招き、このほど公開された原さんのドキュメンタリー作品を紹介した。作品は日本兵数人の「軍中日記」や関連の回想録を手がかりとし、個人の視点から戦争の残酷さを描き出している。
11日、東京で開催された南京大虐殺証言集会で発言する映像ディレクター、原義和さん。(東京=新華社記者/李子越)
集会の参加者は従来通り年配者が中心だった一方で、数人の若者の姿も見られた。彼らは現在大学4年生で、学校教育が意図的に避けている歴史の真相を知りたいと足を運んだという。
そのうちの1人は、日本の学校教育では「731部隊」や「慰安婦」などに関する歴史教育が不足しているとし「これらの歴史認識を補うつもりでここに来た。実際に話を聞いて、日本軍が当時どれほど恐ろしいことをしたのかが分かった」と語った。
11日、東京で開催された南京大虐殺証言集会で発言する映像ディレクター、原義和さん。(東京=新華社記者/李子越)
日中労働者交流協会の伊藤彰信会長は、現在の日本がいわゆる「経済安全保障」体制を構築し、「反スパイ」措置を強化すると同時に、「防衛産業基盤強化法」を制定し、軍需産業分野へ継続的に資金を投入していると指摘。全ての国民は戦争リスクの高まりに見て見ぬふりをしてはならないと述べ「だからこそ私たちは政府に対し、憲法を守り、改憲と軍備拡張を推し進める全ての議論を止めるよう、求め続けなければならない」と語った。(記者/李子越、楊智翔)
11日、東京で開催された南京大虐殺証言集会で、映像を通して証言を行う、南京大虐殺生存者の娘である曹玉莉(そう・ぎょくり)さん。(東京=新華社記者/李子越)
11日、東京で開催された南京大虐殺証言集会で発言する日中労働者交流協会の伊藤彰信会長。(東京=新華社記者/李子越)