都江堰市の岩壁で見つかった複数の恐竜の足跡。(成都=新華社配信)
【新華社成都12月10日】中国四川省にある自貢恐竜博物館の特任研究員、中国地質大学(北京)地球科学与資源学院の邢立達(けい・りつたつ)副教授の専門家チームは6日、同省都江堰(とこうえん)市の岩壁に残された恐竜などの足跡の予備調査で、各種古代動物の足跡化石計20点余りを確認したと明らかにした。約2億年前の三畳紀後期の化石と推定される。
邢氏によると、都江堰市で恐竜の足跡化石が見つかるのは初めてで、恐竜の初期の進化を解明し、古代の環境を再現するための貴重な手がかりになるという。

江堰市の岩壁で見つかった獣脚類の足跡。(成都=新華社配信)
化石は同市九鼎大道付近の堆積岩の岩壁上にあり、11月23日にアウトドア愛好家がハイキング中に発見。邢氏のチームによる鑑定により、地層は三畳紀後期と確認された。
邢氏によると、予備調査で見つかった足跡は主に中・大型獣脚類、小型獣脚類、三畳紀の原始的爬虫(はちゅう)類「キロテリウム」に分かれ、獣脚類の足跡は恐竜、キロテリウムの足跡は主竜類が残したものとみられる。

都江堰市の岩壁で見つかったキロテリウムの足跡。(成都=新華社配信)
邢氏は、獣脚類の足跡は肉食恐竜が後足で歩行した際に残した典型的な3本指で、指先には通常、鋭い爪痕があり、恐竜の運動や行動、生態を研究するための重要な生痕学的証拠になると説明。キロテリウムの足跡については、形態は人の手に似ており、特に第5指(外側の指)が異常に外側に開いていることから学術界で論争が続いているものの、偽鰐類(ぎがくるい)など初期の主竜類の可能性が指摘されていると紹介した。
「この足跡化石地点は非常に貴重だ。少なくとも四つの層位に足跡が保存され、恐竜がこの地で長期間生息し、密集して活動していたことを示している」。邢氏は、さらに驚くべきこととして足跡化石の周辺で木の化石が見つかったことを挙げ、倒れた木の幹や立ったまま残った木の遺物は岩層の中に静かに眠り、2億年余り前の古代の環境を今に伝えていると語った。