日本の有識者、高市首相に台湾発言の撤回要求

日本の有識者、高市首相に台湾発言の撤回要求

新華社 | 2025-12-09 22:43:15

8日、記者会見で声明を読み上げる「村山首相談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長(左から2人目)。(東京=新華社記者/李子越)

 【新華社東京12月9日】日本の民間団体「村山首相談話を継承し発展させる会」は8日、学術界や元政府高官、メディア関係者など十数人と東京都内で高市早苗首相に台湾に関する発言撤回を求める緊急記者会見を開いた。出席者は、高市氏の発言がこれまでの日本政府の台湾問題に関する基本的立場から明らかに逸脱しているとし、高市氏に発言を直ちに撤回し、日中関係のさらなる緊張を避けるよう強く求めた。

 「発展させる会」の藤田高景理事長は、高市首相の「台湾有事は存立危機事態」発言の撤回を求める声明を読み上げた。声明は、高市氏が「台湾有事が起これば日本は戦争体制に入れる」と国会で初めて明言したことは、日本軍国主義の復活に等しい行為だと批判。問題の原因を作った日本側が被害者であるような振る舞いをしても事態の解決にはつながらないと強調し、台湾問題が中国の内政であることを認め、直ちに今回の発言を撤回すべきだと主張した。

8日、記者会見で発言する青山学院大学の羽場久美子名誉教授。(東京=新華社記者/李子越)

 高市氏の発言に対する批判は他の出席者からも相次いだ。青山学院大学の羽場久美子名誉教授は、高市氏の台湾に関する発言は戦後に確立された国際秩序に背いていると指摘。1943年のカイロ宣言や1945年のポツダム宣言などの文書は台湾の帰属を明確に規定しており、高市氏の発言は日本政府の従来の基本的立場を逸脱していると強調した。

8日、記者会見で発言する国際政治学者で元外交官の東郷和彦氏(右端)。(東京=新華社記者/李子越)

 国際政治学者で元外交官の東郷和彦氏は、高市氏の発言で日中関係は極めて厳しい局面に陥ったとの見方を示した。1972年の日中共同声明の台湾問題に関する表現は、双方が真剣な議論を経て決まったものであり、中国側も一貫して日本に厳格な順守を求めてきたとし、高市氏も尊重すべきだと語った。

8日、記者会見で発言する政治経済学者の植草一秀氏(中央)。(東京=新華社記者/李子越)

 政治経済学者の植草一秀氏は、高市氏が自らの発言を政府の統一見解とする意図はないと主張する一方で、自らの答弁が「日本政府の一貫した立場を変えるものではない」と述べたことを指摘。このような矛盾した説明は一種のごまかし、論点のすり替えであり、高市氏は発言の誤りを謙虚な姿勢で改めるべきとの考えを示した。

8日、記者会見で発言する雑誌「世界」元編集長・元岩波書店社長の岡本厚氏(中央)。(東京=新華社記者/李子越)

 雑誌「世界」元編集長、岩波書店元社長の岡本厚氏は、高市氏は「対話」を頻繁に口にするが、本当の対話は相手を尊重し、対等な立場で相手を理解することから始まると指摘。「高市さんの姿勢では、全く対話として成り立たない」と述べた。

8日、記者会見で発言する関東学院大学の足立昌勝名誉教授(中央)。(東京=新華社記者/李子越)

 関東学院大学の足立昌勝名誉教授は、高市氏は首相就任以来、「安保3文書」の改定や武器輸出の制限緩和、防衛費の増額を主張したほか、スパイ防止法の推進や国家情報局創設の議論など「国内での情報遮断と国外での情報取得」の強化に動いていると指摘。一連の動向は日本を戦争へ向かわせるものだと率直に語った。(記者/李子越、欣芷如)

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