
【新華社北京12月8日】中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は7日、日本八路軍・新四軍戦友会副会長兼事務局長の小林陽吉氏による寄稿「高市早苗首相は台湾に関する誤った発言を撤回すべき」を掲載した。主な内容は次の通り。
日本の高市早苗首相は先ごろ、公然と「台湾有事」と「集団的自衛権の行使」を結びつけ、日本が台湾海峡問題に武力介入する可能性を示唆した。この誤った発言は中国の核心的利益に挑戦しようとするものであり、中国側は直ちに厳正な申し入れと強い抗議を行った。高市首相が就任間もないうちに深刻な外交上のもめ事を引き起こし、日中両国の上の世代の政治家たちが共に築いてきた友好関係を甚だしく損なっていることに、深く心を痛めている。
長年にわたり、日中関係は四つの政治文書が確立した原則に従ってきた。これらの文書は日中関係発展の政治的な基礎を成している。高市首相の軽率な発言は、日本の歴代政権が台湾問題において維持してきた非常に慎重な姿勢を完全に覆すものであり、1972年の「日中共同声明」における「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」といった台湾問題に関わる趣旨から深刻に乖離し、日中両国間の法的拘束力を持つ政治文書に深刻に背くものだ。
高市首相は外交・防衛といった重要ポストでの経験を欠いており、その右翼の保守的な立場によって、政権運営経験上の欠陥を覆い隠すのは困難だ。就任後の自己肥大化的な政治スタイルによって、その発言は恣意性と軽率性がさらに強まっている。日本の国会質疑制度は極めて厳格であり、高市首相の答弁内容によるマイナスの影響は国内外で広がっている。
今年は世界反ファシズム戦争勝利80周年にあたる。世界各地の記念行事は、人々に戦争を忘れず、歴史を鑑とするよう注意を促している。高市首相は歴史の教訓を深く汲み取り、日本軍国主義がかつて中国、アジア、そして世界にもたらした甚大な惨禍を直視しなければならない。
日本自身も侵略戦争の中で痛ましい代償を払った。戦後の日本の社会では、大部分の人が戦争を反省する姿勢を取っているが、一部の政治屋を含め、侵略の歴史と植民地支配を否認し、さらには美化する姿勢を取っている者が依然としている。これは間違いなく中国人民の感情を傷つけるものであり、歴史の事実への冒涜でもある。
日中の平和と友好は、両国の根本的利益にかなうのみならず、地域の平和と安定を維持するうえで唯一の正しい選択でもある。今回の高市首相による台湾関連の誤った発言は日中関係に多大な打撃を与えたが、日中関係の改善を進めることは、高市首相にとって日本の首相として避けられない責務であり、日本国民の期待でもある。
現在、日中関係は岐路に立っている。事態が長引けば長引くほど、日本へのマイナスの影響は大きくなる。台湾に関する誤った発言を撤回することが、高市首相にとって現在最も責任ある対応である。