
ジャイアントパンダ国家公園の什邡、綿竹、茂県エリアを迂回して運行する川青鉄道の高速列車内で、乗客に「2025グローバルパンダパートナー大会」を紹介し生態環境保護の理念を広める中国ジャイアントパンダ保護研究センターの科学普及職員。(11月19日撮影、成都=新華社配信)
【新華社成都12月7日】中国四川省の成都市と黄竜・九寨溝両風景区を結ぶ高速列車は、竜門山脈の山腹を走る。途中のトンネルから千メートル余り上の地上では、ジャイアントパンダがのんびりと餌を求め、繁殖相手を探している。
四川省や重慶市、貴州省の鉄道を主に管轄する中国鉄路成都局集団によると、同路線はパンダの二つの個体群をつなぐ回廊を保全するため工事量が20%増し、結果として良好な生態保全効果をもたらした。

ジャイアントパンダ国家公園の什邡、綿竹、茂県エリアを迂回して運行する川青鉄道の高速列車内で、乗客に「2025グローバルパンダパートナー大会」を紹介し生態系保護の理念を広める乗務員。(11月19日撮影、成都=新華社配信)
中国ジャイアントパンダ保護研究センターで科学普及の職に就く李さんは、第4次全国ジャイアントパンダ調査の結果をもとに、野生パンダの個体群は生息地の深刻な断片化を受けて33の局所的な小規模個体群に分断されており、うち22の個体群は個体数が30頭に満たないと指摘。「孤島」となった小規模個体群の一つ一つをつなぐため、中国はパンダの生態回廊建設を開始したと説明した。

ジャイアントパンダ国家公園の什邡、綿竹、茂県エリアを迂回して運行する川青鉄道の高速列車内で、観光客と交流する乗務員。(11月19日撮影、成都=新華社配信)
パンダ個体群のうち、主に四川省綿陽市平武県に分布する虎牙個体群は、岷山山系で個体数が最も多く、分布密度も最も高いが、直線距離でわずか8・37キロしか離れていない什邡(しゅうほう)、綿竹両市にまたがる九頂山個体群は、個体数が最も少なく、密度も最も低い。両エリアは最終的に成都と九寨溝・黄竜の間にある土地嶺回廊を通じて個体群間の遺伝子交流が実現し、九頂山小規模個体群の効果的な回復につながった。

ジャイアントパンダ国家公園の什邡、綿竹、茂県エリアを迂回して運行する川青鉄道の高速列車内に施された装飾。(11月19日撮影、成都=新華社配信)
九頂山小規模個体群ではここ数年、子が産まれ始めていることが野外モニタリングにより確認され、今年は、閉鎖された鉱山区域でも野生のパンダの姿が初めて確認された。
ジャイアントパンダ国家公園四川エリアの生態回廊は4年間で6本になり、パンダが互いに移動できるようになった。主要保護対象の個体群は個体数が安定して増加し、重点エリアでの野外モニタリングによるパンダの目撃数も年間178頭から185頭に増加した。(記者/余里)