企業家ボアオフォーラム、AI活用の新動向に焦点 中国海南省

企業家ボアオフォーラム、AI活用の新動向に焦点 中国海南省

新華社 | 2025-12-06 22:48:15

4日、「2025企業家ボアオフォーラム」の並行フォーラム「2025デジタル・インテリジェンス科学技術イノベーション発展大会」の会場。(瓊海=新華社配信)

 【新華社海口12月6日】中国海南省瓊海(けいかい)市博鰲(ボアオ)鎮で5日まで4日間開かれた「2025企業家ボアオフォーラム」の関連イベントでは、多くの企業家が先端技術と産業の融合を巡り、議論を交わした。中でも低空経済(低高度の有人・無人機を活用した経済活動)や教育、医療などでの人工知能(AI)の革新的な応用が焦点となった。

4日、「2025企業家ボアオフォーラム」の並行フォーラム「2025デジタル・インテリジェンス科学技術イノベーション発展大会」の会場。(瓊海=新華社記者/常博深)

 ドローンショーなどを手がける上海千機創新文旅科技集団の石哲元(せき・てつげん)董事長は、同社が17年に設立され、今ではソフトウェア開発、完成機生産、運用など低空経済の川上から川下までをカバーする企業へ発展したと紹介。ドローンショーをブランド確立の起点とし、ドローンのスウォーム(編隊)飛行技術を海外の農業や消防、巡回点検などに応用し、技術成果の実用化につなげていると語った。

 海南自由貿易港で海南島全域を独立した税関管理区域とする「封関」運営が間もなく実施されることについては、低空経済に関わる企業にとって大きなチャンスになると指摘。同社も海南の政策環境を活用し、「低空アート展示ホール」を設立して世界から顧客を集め、協力を深めていく計画だという。

4日、「2025企業家ボアオフォーラム」の並行フォーラム「2025デジタル・インテリジェンス科学技術イノベーション発展大会」で講演する北京与愛為舞科技の張懐亭CEO。(瓊海=新華社配信)

 教育テクノロジー企業、北京与愛為舞科技の創業者、張懐亭(ちょう・かいてい)最高経営責任者(CEO)は、AIによる教育パラダイムの変革を人材育成の観点から論じた。世界で産業チェーンの再構築が加速し、技術競争が激化する中、課題であれ機会であれ、鍵となるのは人材の規模と質の向上であり、生成AIは大規模かつ高品質で低コストの人材育成の可能性を提供すると指摘。「生成AI技術を高度に応用するテクノロジー企業として、技術を通じた教育変革を実現したい。理想的な教育向け大規模モデルは、全年齢層をカバーする生涯学習の伴侶になるべきだ」との考えを示した。

 医療・健康分野では、オンライン医療サービスを提供する医聯集団で商用事業を担当する田群喜(でん・ぐんき)氏が「優れたサービス、低コスト、アクセスのしやすさ」という地域医療の核心的課題をAIによって同時解決する手法を説明。技術的手段によって一部の専門的な人材を代替、または強化することで、良質な医療資源の効果的な供給を拡大できると指摘した。

4日、「2025企業家ボアオフォーラム」の並行フォーラム「2025デジタル・インテリジェンス科学技術イノベーション発展大会」で講演する上海千機創新文旅科技集団の石哲元董事長。 (瓊海=新華社配信)

 医聯集団は医療AIの安全性と有効性についても、高速システムと低速システムを連携させる「二重システムモデル」を確立。患者が訴える症状を高速システムが迅速に理解し、低速システムが臨床ガイドラインと症例に厳密に基づく推論を行う方式を用いている。

 今回のイベントは、AI技術が概念段階を離れ、多くの産業分野で具体的な製品や明確なビジネスモデル、測定可能な社会的効果を生み出しつつあることを明らかにし、産業の高度化や社会の重要課題の解決に向けた可能性を示した。(記者/常博深、陳子薇、湯瑋)

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