ボアオで中国国産ブランド巡るフォーラム　海外展開の勢い示す

３日、「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」の円卓対話。（瓊海＝新華社記者／常博深）

　【新華社瓊海１２月４日】中国海南省瓊海（けいかい）市博鰲（ボアオ）鎮で２～５日、２０２５企業家ボアオフォーラムの関連イベントが行われている。３日には「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」の並行フォーラムが開かれ、中国の国産ブランド企業や専門家らがブランド戦略や海外展開について意見を交わした。

　新華社傘下のネットメディア「新華網」の楊慶兵（よう・けいへい）副総裁はあいさつで、中国の国産ブランドが「かつてない黄金期を迎えている」と指摘。美容やファッション、テクノロジーの分野で躍進が続き、中国の伝統や文化要素を取り入れた「国潮」と東洋美学を融合したデザインが主要な流れになっていると述べた。整備されたサプライチェーン（供給網）とデジタルマーケティングの発展がブランド力向上を支えているとも語った。新華網として、①「中国製造」を発信する権威ある枠組みの構築②トラフィック支援や市場連携を含む全工程のエンパワーメント体制の整備③知的支援や政策支援の強化によるブランド競争力の向上－の３点で国産ブランド発展を後押しする方針も示した。

３日、「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」であいさつする新華社傘下のネットメディア「新華網」の楊慶兵（よう・けいへい）副総裁。（瓊海＝新華社配信）

　基調講演では、中国のコーヒーチェーン「庫迪咖啡（Ｃｏｔｔｉ　Ｃｏｆｆｅｅ）」の李穎波（り・えいは）最高戦略責任者（ＣＳＯ）が同社の急成長を紹介。設立から３年で世界３３の国・地域に１万８千店以上を展開し、規模は世界３位に達したとした。昨年５月以降は黒字を維持しているという。成長の基盤としてテクノロジーとサプライチェーンの高度な統合を挙げ、供給拠点では「１日に２千万杯分の原材料を供給できる」と述べた。

　李氏は取材に対し、海外展開の鍵を「品質」「双方向の製品戦略」「サプライチェーンとコスト優位性」の３点に整理。革新製品の輸出と併せて現地市場向けのローカライズ製品を開発する姿勢を示した。

３日、「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」の会場外で、ゲストにコーヒーを提供する「庫迪咖啡（Ｃｏｔｔｉ　Ｃｏｆｆｅｅ）」のスタッフ。（瓊海＝新華社記者／常博深）

　円卓対話では、体重管理アプリを手がける広州瘦吧網絡科技の郭致誠（かく・ちせい）連席総裁が自社の海外展開を説明。同社ユーザーは１１７の国・地域に広がっているとし、中国ブランドは「中国生産」から「中国製造」、さらに「中国ブランド」へと段階を踏んで発展してきたと述べた。また、中国文化の発信がブランド力向上の後押しになるとした上で、「優れた製品とサービスを届ける企業姿勢が最も重要だ」と語った。

　フォーラムでは、基調講演や対話を通じ、新国産ブランドの成長モデルや変革の方向性が議論され、「多元的変革」が進む中での柔軟性と革新力が示された。（記者／常博深、陳子薇、湯瑋）

３日、「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」の会場外で、商品を見せる雲南大益茶業のスタッフ。（瓊海＝新華社記者／常博深）

３日、「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」の会場外で、コーヒーを受け取るゲスト。（瓊海＝新華社記者／常博深）

３日、「多元的変革と新たな出発　２０２５新国産ブランドイノベーション大会」の会場外に展示された普洱（プーアル）茶メーカー、雲南大益茶業の商品。（瓊海＝新華社記者／常博深）