東京の首相官邸前で抗議集会に参加する市民。(11月28日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
【新華社北京12月3日】日本の高市早苗首相は国会答弁で、「台湾有事」と日本の「存立危機事態」を公然と結びつけ、いわゆる集団的自衛権の行使を口実に台湾問題へ武力介入する可能性を示唆した。しかし、この「存立危機事態」の根拠とされる安保関連法(武力攻撃事態法の改定部分を含む)は、そもそも憲法違反との指摘が多く、制定以来、日本の有識者から強い批判を受け続けている。日本国憲法の平和原則に背き、国際秩序にも挑戦するその性格は、もはや隠しようがない。
日本国憲法第9条は、「国権の発動たる戦争」および「武力による威嚇または武力の行使」を国際紛争を解決する手段として永久に放棄し、「陸海空軍その他の戦力」を保持せず、交戦権を認めないと言明している。これは、日本の侵略の歴史に対する徹底した清算であると同時に、国際社会に対する厳粛な平和の誓いでもあった。
2015年に安倍政権が強行採決で成立させた安保法制は、憲法の平和条項を実質的に形骸化させるものであり、違憲との指摘を免れ得ない。その根本的な問題は、憲法の精神を曲解し、「存立危機事態」という概念を恣意(しい)的に導入した点にある。この概念は「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによって日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義される。
安保法制の制定は、憲法による「専守防衛」の制約を完全に逸脱した。日本が直接武力攻撃を受けていなくても「集団的自衛権」を名目に対外的な武力行使が可能となり、交戦権を否認する平和憲法の規定を骨抜きにするものであり、その結果、法律は軍事的拡張の意図を覆い隠す装置へと変質した。法理から見ても、平和憲法の立法の初心に背くとともに、第2次世界大戦後に戦勝国と敗戦国との間で確立された国際的な取り決めにも反しており、国際社会の平和への期待に公然と挑戦するものとなっている。
東京の首相官邸前でプラカードを掲げる抗議集会の参加者。(11月21日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
近代史を振り返れば、日本が侵略戦争を始める前にはいつも、「存亡の危機」が自らの暴挙の口実となってきた。日本の対外拡張は常に、偽りの危機で侵略行為を覆い隠し、大義なき戦争を「自衛」の名で包装してきた。今日、高市氏が主張する「存立危機事態」を口実とした他国への内政干渉は、まさに軍国主義復活を示す明確なシグナルであり、歴史の悲劇が繰り返されるリスクを高めるだけでなく、アジア太平洋地域の安全と安定にも深刻な脅威をもたらしている。
戦後の国際秩序を守り、日本軍国主義の復活を抑止することは、国際社会の共同の責任であり、中国や米国など第2次大戦の戦勝国に課せられた法的使命であり歴史的責務でもある。「ポツダム宣言」第6項は日本の軍国主義勢力の一掃を明確に求め、日本の降伏文書は「ポツダム宣言」の誠実な履行を約束している。これらの法的拘束力を持つ国際文書は、日本の平和憲法順守を監督する正当な権利を戦勝国に付与している。
日本の平和憲法は、第2次世界大戦勝利の重要な成果であり、日本軍国主義を法的に縛る枠組みでもある。憲法の枠を踏み越え、国際秩序に挑戦しようとするいかなる行為も、世界の人々の断固たる反対に遭い、最終的にその報いを受けることになるだろう。