【新華社北京12月1日】日本の高市早苗首相は台湾問題で誤りを重ね、根深い歴史修正主義的傾向と、今日の国際政治の現実に対する誤った判断をあらわにしている。
高市氏は最近、国会における党首討論で「サンフランシスコ平和条約でわが国は台湾に関する全ての権利権限を放棄している。台湾の法的地位を認定する立場にはない」と発言した。歴史を意図的に歪曲するいわゆる「台湾地位未定論」は、同氏が先日公然と行った「『台湾有事』は日本の『存立危機事態』になり得る」という誤った主張と同様に、戦後国際秩序に挑戦し、台湾海峡への軍事介入に向けて布石を打とうとする真意を改めて露呈させた。
台湾問題の歴史的経緯と法理的事実は極めて明確である。1895年4月、日本は不平等条約によって台湾と澎湖諸島を占領した。1943年12月、中米英3カ国はカイロ宣言を発表し、東北地区、台湾、澎湖諸島など、日本が中国から奪った領土を返還することを主な目的と宣言した。45年7月、3カ国が共同署名し、後にソ連も参加したポツダム宣言は「カイロ宣言の条項は履行される」ことを再確認した。日本は同年9月に降伏文書に署名し「ポツダム宣言の条項を誠実に履行する」と明確に約束した。国際法上の効力を持つ一連の文書は、中国が台湾を取り戻す完全な法的連鎖を構成している。台湾の中国への復帰は正義の証しであり、第2次世界大戦の重要な勝利の成果である。「台湾地位未定論」なる誤った主張は、戦後国際秩序への公然たる挑戦にほかならない。
高市氏が援用するいわゆる「サンフランシスコ平和条約」については、50年代に一部の西側諸国が冷戦戦略上の思惑から、第2次世界大戦の主要戦勝国である中ソなどを排除して日本と単独講和を締結し発表した文書である点を特に指摘しておく必要がある。この文書は42年に中米英ソなど26カ国が署名した連合国共同宣言における敵国との単独講和を禁じた条項に違反しており、国連憲章や国際法の基本原則にも反している。台湾の主権帰属など、非締約国である中国の領土と主権・権利を曖昧にした内容はいずれもカイロ宣言やポツダム宣言など国際法上の効力を持つ文書から逸脱しており、違法かつ無効である。高市氏が戦後国際秩序の礎を成す一連の法的文書を選択的に無視し、違法かつ無効な文書のみを援用するのは、歴史への無知と曲解であり、国際社会の公認する準則を踏みにじる行為である。
高市氏の「日本は戻ってきた」という宣言に対し、私たちは問わざるを得ない。一体どのような日本が戻ってきたのか。第2次世界大戦の教訓をくみ取り、軍国主義による侵略の歴史を反省し、平和憲法の約束を厳守し、正常な国家として国際社会に復帰した日本を指すなら、異論はない。しかし、軍国主義の復活や横行を意味するのであれば、国際社会は厳重に警戒する必要がある。歴史上、日本の軍国主義者が台湾にもたらしたのは、暗黒の植民地支配と非人道的な犯罪行為である。日本が台湾を強制占領し、植民地支配を行った半世紀の間に、数十万の台湾同胞が殺害され、一般市民に政治的権利や信教の自由、文化的自由はなく、鉱物資源や民生物資は略奪の限りを尽くされた。日本軍は雲林大虐殺で約3万人の台湾民衆を惨殺し、桃園三角湧大虐殺で2万5千人を焼き殺し、蕭壠大虐殺で2万7千人を殺害した。台湾史上最も暗い1ページである。遠い昔のことではない。日本の右翼政治家が「台湾有事は日本有事」と鼓吹し、再び台湾を狙うのは歴史の傷口に塩を塗るに等しい。
台湾は中国の台湾であり、台湾問題は中国の核心的利益中の核心である。80年前、中国は日本の軍国主義を打ち破る力を持っていた。今日、中国政府と人民は、内政に干渉し中国統一の大業を阻もうとするいかなる企図も阻止する、より強固な意志、十分な自信、強大な能力を備えている。日本の一部政治家に厳しく警告する。台湾問題で火遊びをする者は必ず自らを焼くことになる。台湾問題において重い歴史的罪責を負う日本は、歴史の覆轍を踏まぬよう、言動を慎み、歴史を深く反省し、台湾問題に関するいかなる挑発行為もやめるべきである。