
SCOモデル区にあるアゼルバイジャン国家ブランド館で、アゼルバイジャンの民族衣装を身にまといザクロジュースを見せる同館責任者の呉茜娯さん。(資料写真、青島=新華社配信)
【新華社青島12月1日】中国山東省青島市にある中国・上海協力機構(SCO)地域経済・貿易協力モデル区では現在、世界各地から集まった一般の「ビジネスパーソン」たちが、越境商業・貿易の夢を実現しようと奮闘している。
1996年生まれの呉茜娯(ご・せんご)さんは2021年4月、アゼルバイジャン国家ブランド館・青島館を同モデル区に誘致し、現在は館の責任者を務めている。同館では在中国アゼルバイジャン大使館の承認を得て、ザクロジュースやワインなどアゼルバイジャンの特産品60種類余りを展示、販売しており、呉さんは「アゼルバイジャンのザクロジュースは大変好評で、当館の目玉商品となっている。多くのリピーターがオンラインで直接再購入している」と紹介した。

SCOモデル区にあるアゼルバイジャン国家ブランド館で、ワインを見る同館責任者の呉茜娯さん。(資料写真、青島=新華社配信)
同市のIT企業、山東朧愛信息科技集団で国際プロジェクトを担当するカザフスタン出身のエリーナさん(28)も、この国際的な協力プラットフォームに新たな彩りを加えている。14年に奨学金で中国に留学し、江蘇省の南京理工大学と南京信息工程大学で国際経済・貿易と経営管理学修士(MBA)の学位を取得したエリーナさんは「学んできたことや国際経済・貿易、ビジネスマネジメント、外国語への関心を考えると、モデル区は実践を通じて私のパーソナリティーや専門スキルを最大限に発揮し、活用できる完璧な場だ」と語った。
モデル区の別エリアにある青島・上合之珠国際博覧センター(青島SCODAパール国際エキスポセンター)に設けられたロシア国家館では、責任者のベダさんが流暢な中国語で客を呼び込んでいる。中国在住25年の女性実業家であるベダさんは、19年からモデル区で事業を展開している。最も印象に残っているのは第1回「上合之夏」イベントの時に、ロシア産ビールが2日間で1200本余り売れたことだそうで、「この経験は、モデル区で成長する自信を深めてくれた」と話した。

山東省膠州市の国際女性デー115周年記念大会および「女性が語るSCO」女性風采宣伝報告会で発言するカザフスタン出身のエリーナさん。(3月6日撮影、青島=新華社配信)
さまざまな国からやって来た経営者たちは、それぞれ異なる背景を持ちながら、いずれもモデル区で発展の機会を見いだした。呉さんは各種展示会への参加やライブコマースを通じて、アゼルバイジャン製品の中国市場での販路を絶えず拡大している。ベダさんはモデル区のプラットフォームを活用して、ロシア商品のPRを続けている。エリーナさんはマルチリンガルの強みと専門知識を生かし、中国とカザフスタンなどSCO加盟国や「一帯一路」共同建設国との経済・貿易協力を促進している。
エリーナさんは、SCO加盟国間の交通・輸送の利便性向上によって国際貿易の効率が高まっており、この地域協力メカニズムが非常に大きな将来性を持っているとの見方を示した。(記者/王凱、王歓、呉飛座)