
【新華社ウィーン11月29日】中国の李松(り・しょう)国際原子力機関(IAEA)常駐代表はIAEAの11月理事会で、日本の「非核三原則」や福島放射能汚染水の海洋放出などの問題について中国の立場を説明し、日本には厳格な監視が必要だと強調した。
李氏は次のように述べた。日本は自らを「平和国家」と位置付け、「核兵器のない世界」の実現を掲げている。だが最近見せている軍事・安全保障上の動きは、国際社会の深い懸念を呼び起こしている。日本政府は「非核三原則」について態度を曖昧にし、明確な説明を避けているどころか、それを放棄して「核共有」に道を開き、「拡大抑止」協力を強化する姿勢さえ示している。また、日本の高官からは原子力潜水艦の導入を「排除しない」との発言も出ている。こうした一連の動きは、日本の政策が重大な方向転換を始めていることを露呈し、危険なシグナルを発している。もし日本が再び軍国主義の道を歩み、平和的発展の約束を翻し、戦後の国際秩序を損なうことになれば、国際社会は決して許さないだろう。
よく知られているように、日本は長年にわたり、民生用原子力の需要をはるかに超えるプルトニウムを製造・保有してきた。日本は核兵器不拡散条約(NPT)締約国のうちで唯一、再処理技術を持ち、兵器級プルトニウムを抽出でき、なお稼働可能な再処理施設を保持する非保有国である。このような日本には厳格な監視が必要だ。われわれは日本に対し、「非核三原則」と国際的な不拡散義務を厳守し、国際社会に対して明確かつ率直な説明を行うよう強く求める。IAEAは引き続き重要な役割を果たし、核兵器の拡散を厳しく防止しなければならない。
福島で14年前に起きた深刻な原発事故は、自然災害であると同時に人為的要因も大きかった。事故後の処理は注目を集め続けている。日本政府は国際社会、特に周辺の国や住民の強い反対を顧みず、放射能汚染水の海洋放出を強行した。中国はこれに一貫して断固反対している。海洋環境や人類の健康に長期的な危害を及ぼさないよう、IAEAが日本への国際監視を確立し、継続的に強化することを中国は強く支持する。福島原発の廃炉や放射性廃棄物管理は依然として大きな技術的課題と安全リスクを抱えており、国際社会は引き続き注視すべきである。われわれは日本に対し、責任ある姿勢と透明な方式でこれらの問題を適切に処理し、原子力安全上のリスクを根絶するよう求める。IAEAはこれらの問題について長期的な審議を続ける必要がある。