14日、広東省深圳市で開催された第27回中国国際ハイテク成果交易会。(深圳=新華社記者/王豊)
【新華社深圳11月27日】中国では人工知能(AI)やビッグデータ、産業インターネット、量子コンピューティングなどのコアテクノロジーが研究室を飛び出し、工場や農地、港湾、都市管理の最前線へと広がり、「テクノロジーが産業に力を与える」新たな鍵になりつつある。広東省深圳市で開催された第27回中国国際ハイテク成果交易会(14~16日)の会場には世界の最先端テクノロジーを代表する新たな製品や技術、成果5千件余りが一堂に会し、「数智化(デジタル化・スマート化)」の雰囲気にあふれていた。
「科学技術が産業に与える力 融合による未来の共創」をテーマとした交易会では、AIのエコシステムが本格的に覚醒した。「大規模モデル+(プラス)業界応用」の枠組みが製造やエネルギー、金融、行政など10以上の専門分野を網羅し、産業のスマート化を推進する核心的なエンジンとなっている。
人型ロボットは今、「高度な技術のデモンストレーション」から脱却し「生産ラインの必須ツール」へと移行しつつある。もはや単に「動ける」だけではなく「仕事ができる」フェーズへと進んでいる。
浙江省のロボットメーカー杭州宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)の展示エリアでは、人型ロボットが人間とスパーリングを実施。パンチや回避、サイドキックなどの動作にはよどみがなく、相手と接触しても体勢を崩さなかった。AIロボット企業の上海傅利葉智能科技は「シナリオの連鎖」を用いたロボットのタスク処理能力に重点を置き、搬送と仕分けを担当する2台のロボットによる明確な作業分担や整理された作業手順、リズミカルでスムーズな動きは、工業環境でのエンボディドAIによる協働の可能性を示した。
14日、広東省深圳市で開催された第27回中国国際ハイテク成果交易会で、人型ロボットの格闘試合を観戦する来場者。(深圳=新華社配信)
交易会では、コンピューティング能力(計算力)の自前化がもう一つの大きな注目点となった。
通信速度が50ギガビット毎秒(Gbps)に達する衛星通信サービス「深圳星」を利用し、数千キロ離れた距離での超遠隔ロボット手術の事例は、「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の優位性を明確に示した。中国送電大手、南方電網傘下の深圳供電局が中国IT大手、華為技術(ファーウェイ)と協力して構築した電力業界向けの「通量一体」量子暗号専用ネットワークも、第15回全国運動会(広東省と香港・マカオ両特別行政区で9日から21日まで開催)の電力指揮本部から前線の電力保安指揮部までの全通信経路、エンド・ツー・エンド通信の量子暗号化を実現した。
「華為の半導体、昇騰(アセンド)をベースとする国産AIエコシステム特別展」では、計算キャビネット12個と配線キャビネット4個で構成された、コンピューティング能力(計算力)の巨獣「昇騰384スーパーノード」が目を引いた。(AIチップ384個からなる)最大演算能力は300ペタフロップス(1ペタフロップスは1秒間に1千兆回の演算が可能な速度)に達し、スーパーノード内にある任意の二つのAIプロセッサー間の通信帯域幅は、従来のアーキテクチャーと比較して15倍向上しており、データのやり取りがよりスムーズに行える。