高市首相の台湾発言は「日本経済に根本的打撃」 日本のエコノミストが警鐘

高市首相の台湾発言は「日本経済に根本的打撃」 日本のエコノミストが警鐘

新華社 | 2025-11-27 19:54:45

17日、東京都内のカフェを利用する男性。(東京=新華社記者/賈浩成)

 【新華社東京11月27日】日本の経済学者で、インフィニティ合同会社チーフエコノミスト兼テラ・ネクサスCEOの田代秀敏氏は、このほど新華社の取材に応じ、高市早苗首相の対中認識や台湾情勢をめぐる最近の発言について「現実から大きく逸脱しており、このままでは日本経済に根本的な打撃を与えかねない」と強い懸念を示した。

 田代氏は、高市氏の発言が中国側の「レッドライン(越えてはならない一線)」に触れ、両国関係の急速な悪化を招きかねないと指摘。その上で、中日の企業間連携は極めて密接であり、「中国企業の製品には日本企業しか作れない部品が、日本企業の製品には中国企業でしか作れない部品が、それぞれ使われている」と述べ、日本にとって中国はすでに「切り離せない存在」になっているとした。

 また、日中双方の「依存度」は対等ではなく、日本の対中依存度の方がはるかに高いと指摘。中国の実質的な経済規模が日本の約5倍に達している現状を踏まえ、「仮に貿易や投資が全面停止すれば、日本にとっては死活問題となる」との見方を示した。

 田代氏は、最初に深刻な影響を受ける分野として観光業、小売業、映像産業を挙げた。観光と小売は「日本にとって重要な雇用の受け皿」であり、特に人口減少に苦しむ地方では雇用の観光業への依存度が高いと説明した。また、中国人観光客は日本の観光業にとって最大の顧客であると同時に、消費力も非常に強いと述べ、国土交通省観光庁のデータを示し、今年1~9月のインバウンド消費のうち、中国本土および香港からの観光客が約3割を占めたと指摘。「中国人観光客が激減すれば、小売・観光産業に大きな損失が生じ、地方経済にも深刻な影響が及ぶ」と述べた。

 映像産業については「映画産業だけでなく将来的には日本のテレビ業界も打撃を受ける可能性がある。日本のテレビ各局は高コストの連続ドラマを制作する際、中国市場での売り上げを前提にしている」と説明し、ドラマの対中輸出が滞れば「損失は甚大になる」とした。

 さらに田代氏は、より大きなリスクとしてサプライチェーンの寸断を挙げ、「日本のほぼ全ての産業はサプライチェーンのどこかが中国と結びついている」と強調。仮にサプライチェーンが寸断されるなどの影響を受ければ「日本企業は存続が難しくなり、日本経済の根幹が揺らぎかねない」と警告した。

 その上で田代氏は「中国経済は日本がなくても成り立つかもしれないが、日本経済は中国なしでは決して成り立たない。高市氏が発言の撤回を拒否し、挑発を続ければ、日中関係に改善の希望が見えなくなり、将来的には日本企業の投資意欲にも影響を及ぼす可能性がある」とし、「このままの状態が悪化を続けば、日本経済は来年、深刻な景気後退に陥る恐れがある」と警鐘を鳴らした。(記者/劉春燕)

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