21日、東京の首相官邸前でプラカードを掲げ、高市早苗首相の台湾に関する発言に抗議する人々。(東京=新華社記者/賈浩成)
【新華社東京11月22日】日本の軍事評論家である小西誠氏がこのほど新華社の取材に応じ、台湾をめぐる高市首相の発言について、日中間の条約に反するだけでなく、日本国民の平和への願いとも大きく乖離(かいり)していると指摘した。
小西氏は、高市氏の発言は日中共同声明と日中平和友好条約への重大な違反だと批判した。「台湾有事」が「存立危機事態」に当たるとすれば、自衛隊は現行法に基づき「集団的自衛権」による武力介入が可能となる。つまり発言は「中国への戦争宣言にほかならない」と断じた。
しかし「存立危機事態」というわかりにくい表現が使われていることから、「日本のメディアや国民はこの重大性を十分に認識しているとは言えない」とも指摘。「『中国への武力行使』に賛成か反対かと直接聞けば、賛成と答える人は1桁台にとどまるだろう」と語った。
現政権の強硬姿勢については、国民の意識や安全保障の現実を理解せず、「国民の支持を得られない政策を押し進めている」と批判。日本国民は平和意識が強く、いざ戦争が始まるとなれば「ほとんどが反対するだろう」とし、政府の姿勢と国民の感情にはずれがあると強調した。
南西諸島で進む自衛隊のミサイル配備などへの認知度も低く、「存立危機事態」をはじめとした安全保障に対する国民の認識には偏りがあると指摘。情報不足やメディア報道の偏りが、両国間で摩擦や誤解が広がる大きな要因になっているとの見方を示した。(記者/彭純、胡暁格、許芸潁)