「高市発言は極めて危険」 西園寺一晃氏が警鐘

「高市発言は極めて危険」 西園寺一晃氏が警鐘

新華社 | 2025-11-20 10:38:15

17日、東京タワー周辺の景色。(東京=新華社記者/賈浩成)

 【新華社東京11月20日】東日本国際大学の西園寺一晃客員教授は18日、高市早苗首相が「台湾有事」は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると発言したことについて取材に応じ、「極めて危険な発言だ」とし、こうした誤った議論によって日本が歴史の過ちを繰り返すことがあってはならないと強調した。

 西園寺氏はまず、「台湾は中国の国内問題であり、他国の干渉は許されないということを明確にしなければならない」と指摘。その上で、「台湾有事」が日本の「存立」を脅かすとする主張は論理的に成り立たず、「有事になれば日本が参戦する」と根拠もなく断じること自体が「日本の存立に関わる危険な言動だ」と批判した。

 また、日中関係において最も重要なのは台湾と歴史の二つの問題だと述べ、「政府と与党の主要な指導者がこの問題で正しい態度を取らなければ、両国関係は根本から損なわれる」と警告した。

 ドイツのワイツゼッカー元大統領が「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」と語ったことに触れ、西園寺氏は「歴史を知らなければ学ぶこともできず、大変恐ろしい。台湾問題もその一つだ」と指摘した。

 日本の軍国主義はかつて「国家存亡の危機」を口実に度重なる対外侵略へと突き進んだ。自作自演の「九・一八」事変(柳条湖事件)で中国侵略戦争を開始した際も「自衛権の行使」と主張して正当化し、中国をはじめアジアや世界の人々に深刻な災禍をもたらした。

 西園寺氏は高市氏の「台湾有事は日本有事」との発言について、日本軍国主義のレトリックを思い起こしたという。日本軍が中国東北部を「日本の生命線」と称して侵略し、傀儡(かいらい)国家をつくった歴史を引き合いに出し、「その愚行を再び繰り返すのか」と疑問を呈した。

 さらに「高市発言はアジアの平和と世界の安定に大きなマイナスになる」と指摘。「過去の清算や反省が不十分な日本が軍事力を大幅に拡大し、他国の領土に出向いて戦争をすると公言すれば、多くの国、特にアジア諸国が警戒と恐怖を抱き、かつての『日本軍国主義』の悪夢を呼び起こすだろう」と述べた。

 西園寺氏は「今の中国はもはや昔の中国ではなく、今のアジアもかつてとは大きく異なっている」とし、日本が歴史に向き合うことなく再び誤った道を歩めば、「日本を滅亡の道に導きかねない」と警鐘を鳴らした。(記者/陳沢安、李子越)

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