17日、東京都心部で進む建築工事の様子。(東京=新華社記者/賈浩成)
【新華社東京11月18日】日本の高市早苗首相が国会で、安全保障関連法の「存立危機事態」について台湾に関する強硬で挑発的な答弁を行ったことに、日本の専門家は、日中関係の悪化が低迷する日本経済へのさらなる打撃となり、10~12月期もマイナス成長が続くとの懸念を示している。
中日関係の悪化による訪日観光客の減少を懸念する投資家の動きにより、17日の東京株式市場は百貨店や運輸、消費財など観光関連銘柄が売られた。三越伊勢丹ホールディングスの株価は終値で11・3%、高島屋も6・1%下落した。中国人観光客への依存度が高い資生堂は9・0%、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは5・6%下げ、日本航空と全日空も3%以上下落した。18日も朝方から日本航空、全日空、資生堂などの観光関連銘柄の売りが続いた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は、中国政府が日本への渡航自粛の呼びかけや留学に関する注意喚起を発したことで、インバウンド関連企業の業績に悪影響が出る確度が高いとの警戒感が株売りに拍車をかけたと指摘した。
アナリストによると、東京株式市場ではこれまでインバウンドの恩恵を受けていた観光関連銘柄が軒並み下落したほか、影響は中国で事業を急速に拡大する飲食チェーンのスシローや「無印良品」を運営する良品計画、「ユニクロ」親会社のファーストリテイリングなどの中国市場関連銘柄にも及んだ。漫画「鬼滅の刃」や「ハローキティ」などのIP(知的財産)を手がけるソニーグループやサンリオも影響を受けた。
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏は、日本経済はすでに米国の関税政策による下押し圧力に直面しており、日中関係の悪化で「大きな懸念材料が加わった」と指摘。今後の展開次第では10~12月期以降もマイナス成長が続く可能性もあり得るとの見方を示した。