台湾各界、高市氏の発言「台湾にとって有害」

台湾各界、高市氏の発言「台湾にとって有害」

新華社 | 2025-11-17 20:07:30

 【新華社台北11月17日】日本の高市早苗首相の中国に関する誤った発言が、台湾社会の不満と批判を招いている。台湾の各界の人々は、高市氏の露骨な挑発は極めて軽率で、台湾海峡の平和と安定を渇望する台湾の人々の利益を損なうとの見方を示し、台湾問題は外国の政治家が口を出す問題ではなく、台湾を戦火の淵に追いやろうとする者がいれば、われわれは立ち上がり「断じて許さない」と叫ぶという声も聞かれた。

 高市氏は先日の国会答弁で公然と台湾問題に関する露骨な挑発的発言を行い、台湾海峡問題への武力介入の可能性を示唆するなど、その性質と影響は極めて悪質だった。中国が再三厳正な申し入れをしても、日本は改めようとせず、誤った言論の撤回を拒否している。

 中国国民党の馬英九(ば・えいきゅう)元主席は、台湾海峡問題に介入しようとする高市氏の姿勢は日本の右翼軍国主義の復活を連想させると指摘。今年は抗日戦争勝利と台湾光復の80周年に当たるが、中華民族が日本の侵略で受けた傷は今も癒えていないとした上で、このような敏感な時期に高市氏が台湾海峡問題への武力介入を示唆する発言をしたのは極めて軽率であり、台湾海峡の平和と安定を渇望する台湾の人々の利益を損なうと述べた。

 馬氏はまた、両岸(中国の大陸と台湾)問題は外国の手を借りずに、両岸自身が話し合わなければならず、両岸の中国人は互いの意見の違いを平和的に解決する知恵と能力を持つとし、高市氏の前のめりの言動に対してわれわれは必ず立場を表明しなければならず、それが真に台湾の人々の利益を守ることだと強調した。

 同党の洪秀柱(こう・しゅうちゅう)元主席は、高市氏が公然と台湾海峡の衝突を日本の「存立危機事態」に結びつけ、両岸関係の性質をあいまいにしたとし、架空の軍事的状況を作り出し、さらには日本の武力介入の可能性をほのめかしたと指摘。このような発言は挑発であるだけでなく、台湾を危険の瀬戸際に追いやるものであり、日本の軍国主義の害毒が今も取り除かれていないという本質を完全に暴き出したと述べた。

 洪氏は、台湾人への植民支配や抑圧、虐殺を行い、台湾「慰安婦」の歴史的な傷跡に対する真の謝罪や賠償もいまだ果たしていない日本が、なおも台湾海峡問題に干渉していると指摘。これは「関心」ではなく露骨な歴史的傲慢と政治的干渉だとし、台湾を戦火の淵に追いやろうとする者がいれば、われわれは立ち上がり「断じて許さない」と叫ばなければならないと主張した。

 台湾の雑誌「観察」を発行する紀欣(き・きん)氏は、台湾人民の抗日活動は日本統治期にも止んだことはなく、今でも正義感を持つ台湾人は高市氏の悪質な発言に反対すると指摘した。

 台湾の時事評論家、頼岳謙(らい・がくけん)氏は、高市氏の発言は「一つの中国」原則と中日間の四つの政治文書の精神に著しく反しているとし、積極的に中国大陸を戦争対象とするものでもあり、軍国主義的色彩が非常に顕著だと語った。

 同じく評論家の謝志伝(しゃ・しでん)氏は、高市氏の発言は歴史と国際法に背き、日本の右翼勢力の野心を浮き彫りにしたと指摘。台湾問題は中国の内政であり、いかなる外部勢力も台湾海峡問題に干渉すれば正面から痛撃を受けるとし、中国は最終的、必然的に統一されるのであり「台湾独立」分子は高市氏の発言に妄想を抱くべきではないと強調した。

 台湾紙「中国時報」は社説で、民進党当局が一方的な願望で高市氏の「台湾有事」発言に期待を寄せ、「抗中」思考で日本の過激路線を支持し、台湾を危険な状況に追い込むようなことがあってはならないと論じた。

 ジャーナリストの林公正(りん・こうせい)氏は「日本の両岸挑発 台湾は惑わされるな」と題した台湾紙「聯合報」への寄稿で、高市氏は大陸がさまざまな手段で台湾を奪うという仮説を立て、台湾人の不安や大陸への敵意をあおり、大陸の台湾への武力行使が日本の存亡を脅かすとこじつけたと指摘。このような台湾海峡の混乱を望む下心こそが日本の政治家の典型的な本性であり、台湾人がこれを善意と信じるなら愚かなことだと評した。

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。