中国・アモイ、映画祭経済の新たなモデルを模索

中国・アモイ、映画祭経済の新たなモデルを模索

新華社 | 2025-11-14 17:14:00

13日、アモイ市中山路に設置された第38回中国映画金鶏賞のオブジェ。(アモイ=新華社記者/許芸潁)

 【新華社アモイ11月14日】中国福建省アモイ市が「中国のアカデミー賞」と呼ばれる映画の祭典、金鶏百花映画祭を開催するようになって今年で7年目となる。この7年間、同映画祭は「映画祭で産業と都市の成長を促す」という理念を掲げ、絶えず探求と前進を続けてきた。その結果、映像産業の集積効果は日増しに顕著となり、同市は今や名実ともに「映画の都市、映像の都」となった。

 同市観光発展弁公室宣伝チームの彭軍(ほう・ぐん)チーム長は、映画祭の開催がここ数年、持続的で派生的な効果をもたらしていると指摘する。映画都市としての認知が高まり、ドラマや映画の製作が活発化する中、文化・観光部門はロケ地めぐりなどの観光プランを推進。映像関連スポット35カ所と観光ルート100本近くを整備し、観光客を呼び込んでいる。中でも映画祭をテーマとしたスポット「金鶏百花星光海岸」には毎月10万人を超える観光客が訪れるという。

13日、アモイ市中山路に設置された第38回中国映画金鶏賞のフォトスポット。(アモイ=新華社記者/許芸潁)

 映画文化を都市生活に浸透させるため、同市の文化・観光関連企業や商業地域は、映画祭チケットの半券を提示することで宿泊や飲食、買い物などで特典が得られるさまざまなチケット優待サービスを導入した。これにより、映画祭は全市民が参加する都市の祝祭と消費のカーニバルへと発展し、文化・観光・商業の全産業チェーンを網羅した、映画鑑賞から消費に至るまでの一貫した体験型エコシステムを形成している。

 映像関連企業の発展もまた、都市の優れたビジネス環境の恩恵を受けている。映画・ドラマ制作会社、倍視(廈門)文化発展(ベースFX)の程越倩(てい・えつせい)ビジネス担当副総裁は、2014年の会社設立準備時に複数の都市を視察した後、最終的にアモイへの立地を決めたことを振り返り、「美しく住みやすい環境に加えて、政府の支援の手厚さも決め手となった。オフィスの場所探しを手伝ってくれた上、家賃減免などの優遇策も提供してくれた。長年にわたって助成政策は充実し続けており、会社の成長を力強く後押ししてくれている」と語った。

13日、第38回中国映画金鶏賞のフォトスポットで写真撮影する子ども。(アモイ=新華社記者/許芸潁)

 アモイ市の映像産業はここ数年、目覚ましい発展の勢いを見せている。この5年間でロケのために同市を訪れた撮影チームは500組近くに上った。同市電影局の統計によると、今年5月現在で市内には映像関連企業が2617社あり、うち主要企業は92社に上る。昨年の業界総収入は約200億元(1元=約22円)に達しており、「金鶏賞」は単なる映画の祭典ではなく、同市の経済に質の高い発展をもたらす重要な起爆剤となっている。(記者/薛瑩瑩、許芸潁、劉黙涵)

13日、第38回中国映画金鶏賞のフォトスポットで写真撮影する観光客。(アモイ=新華社記者/薛瑩瑩)

13日、第38回中国映画金鶏賞のフォトスポットで写真撮影する観光客。(アモイ=新華社記者/薛瑩瑩)

13日、アモイ市中山路に設置された第38回中国映画金鶏賞のフォトスポット。(アモイ=新華社記者/薛瑩瑩)

ドラマ・映画のロケ地として人気の観光スポットになったアモイ市湖里区の清水宮。(アモイ=新華社配信)

ドラマ・映画のロケ地として人気の観光スポットになったアモイ市思明区の別荘。(アモイ=新華社配信)

アモイ市の演武大橋近くの海と環島路の風景。(2024年9月4日、ドローンから、アモイ=新華社記者/魏培全)

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