「天問1号」の火星周回機が10月3日に高解像度カメラで捉えた恒星間天体「3I/ATLAS」。(北京=新華社配信)
【新華社北京11月7日】中国国家航天局は6日、中国の火星探査ミッション「天問1号」の火星周回機が、高解像度カメラを用いて恒星間天体「3I/ATLAS」の観測に成功したと発表した。観測時の周回機と同天体との距離は約3000万キロで、この天体に対する探査機による最短距離での観測の一つとなった。
地上のシステムが受信、処理した観測データからは、この天体が彗星(すいせい)の特徴を明瞭に示していることが確認された。研究者らは、30秒間にわたって撮影された連続画像をもとに動画を作成し、宇宙空間を移動する天体の様子を再現した。得られたデータは「3I/ATLAS」のさらなる研究に活用される。
恒星間天体「3I/ATLAS」と「天問1号」火星周回機の太陽系における相対的位置を示す図。 (北京=新華社配信)
今回の観測は、天問1号の延長ミッションの重要な成果の一つ。中国国家航天局によると、こうした微光天体の観測は、今年5月に打ち上げられた「天問2号」ミッションにとっての貴重な技術実証にもなった。天問2号は、地球近傍小惑星からのサンプル採取とメインベルト彗星の探査を目的としている。