
ハンドドリップコーヒー愛好家と写真に納まる鈴木聖也さん(左)。(フフホト=新華社配信)
【新華社フフホト11月6日】中国内モンゴル自治区の草原都市フフホトで、国境を越えたコーヒー文化の普及に取り組む日本人バリスタがいる。
鈴木聖也さんは3年前、旅行でフフホト市を訪れた。「広大な草原と都市の活気が共存するこの街では、(モンゴル式)ミルクティーの濃厚さとコーヒーの香りやコクがぴったり合うかもしれない」とひらめき、フフホトにとどまった。公園の露店や地元のカフェで、鈴木さんの入れるハンドドリップコーヒーは徐々に常連客を獲得していった。

フフホトのカフェでコーヒーを入れる鈴木聖也さん。(フフホト=新華社記者/哈麗娜)
鈴木さんはフフホトの乾燥した気候に合わせ、抽出時間をわずかに短くするなど調整を加えることで、地元の人が好むよりすっきりした味わいを実現した。コーヒーを入れながら、豆の産地について積極的に客に説明し、待ち時間の間にコーヒーの「個性」を理解してもらえるよう努めている。
鈴木さんのハンドドリップコーヒーは今では、地元のコーヒー好きにとって欠かせない存在となっている。近くの街からわざわざ訪れる客もいれば、鈴木さんから「ブルーム(蒸らし)」技術を学び、ハンドドリップを自宅で実践する若者もいる。
鈴木さんは「フフホトのコーヒー文化は急速に普及し、地元ブランドと海外の味わいが調和し共存している」と指摘。地元のカフェで「ハンドドリップコーヒーと乳製品のセット」という独創的な組み合わせが登場したことに触れ、こうした草原文化とコーヒー美学の融合がここにとどまる決意をさらに強めたと語った。(記者/哈麗娜)

フフホトのカフェでコーヒーを入れる鈴木聖也さん。(フフホト=新華社配信)