匠の技から生まれる美を世界へ売り込む日本企業 広州交易会

匠の技から生まれる美を世界へ売り込む日本企業 広州交易会

新華社 | 2025-11-02 14:25:30

10月26日、第138回広州交易会の日本館。(広州=新華社記者/黄浩苑)

 【新華社広州11月2日】中国広東省広州市で開かれた第138回中国輸出入商品交易会(広州交易会)第2期(10月23~27日)は、匠の技が生む美を世界へ売り込もうとする日本企業が目を引いた。

 日本の栃木県益子町周辺を産地とする益子焼の窯元、わかさま陶芸の若林健吾社長は長年、この世界的に有名な広州交易会へ参加したいと考えていた。中国のビザ免除政策の拡大が進むと、若林さんは迷うことなく出展を決め、妻と共に秋の新作を展示した。韓国や米国、ロシアから連日のように注文が入り、受注件数はこれまでの10倍となった。若林さんは「予想外のうれしい驚きだ」と語った。

 若林さんの会社は、以前はそれほど大きな規模ではなかったが、2019年に初めて上海の展示会に出展した際、大量の注文を受け供給が追いつかなかったことがある。この経験を基に、帰国後、生産規模の拡大に着手。現在はチームが40人以上の体制となり、月間生産量も大幅に増加した。

10月26日、広州交易会に出展した、わかさま陶芸の若林健吾社長と妻。(広州=新華社記者/丁楽)

 陶土だけでなく、竹や金属も美の使者として鍛え上げられ、広州交易会という世界の注目が集まる円卓で、それぞれの美学と創造性を互いに融合させていく。

 福井県の伝統産業、若狭塗箸を中心に企画、製造、販売を手がけるサンライフ(SUNLIFE)の社員、鈴本翔哉さんは、同社の箸について、竹や木、樹脂など環境に配慮した素材を使用し、自然な質感と美しいデザインを兼ね備えていると紹介。すでに十数カ国・地域で販売されているという。

10月26日、広州交易会で展示された、わかさま陶芸の製品。(広州=新華社記者/丁楽)

 傍らでは営業部長の神谷穂高さんが、幾つもの国からの問い合わせに対応していた。神谷さんによると、60年以上の歴史を持つ同社が、新たな市場と成長を海外市場に求めたのは10年前からで、中国市場での初めての受注は、まさに広州の展示会で獲得した。同社は中国市場を大変重要視しており、小さな取り引きを大きなビジネスへ育てていく考えを明かし「広州交易会という大舞台を通じて、他の海外市場の開拓にも挑戦したい」と力を込めた。現在、ネット販売も展開しており、複数の電子商取引(EC)サイトに代理店を持ち、年間売り上げも好調だという。

 鹿児島県で装飾金具や錺金具(かざりかなぐ)の製造を手がける河村金具製作所は「静Shi’s」と名付けた最新シリーズを初公開した。

10月26日、福井県の伝統産業、若狭塗箸を中心に企画、製造、販売を手がけるサンライフのブースで商談中の海外バイヤー。(広州=新華社記者/丁楽)

 同社担当者の河村静江さんは「わが社の金属彫刻技術は、以前は仏壇製作に用いられていたが、今では一般向けの装飾品や日用品の開発に生かされている。伝統工芸の美しさを伝え、より広い市場を開拓したい」と述べた。広州交易会については「国際貿易の大舞台であり、各国のバイヤーが集まる。ここ数日、多くの欧米やアジアなどのお客様と名刺交換をした。今後の商談に向けて準備を進めている」と語った。

 今回の広州交易会日本館出展のとりまとめを担当する林海燕(りん・かいえん)さんによると、第2期には日本企業11社が計17のブースを設け、主に生活・ギフト用品や手工芸品などを展示した。(記者/丁楽、黄浩苑)

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