中国・海南の夜に響く笑い声 日本人店主が営む居酒屋

中国・海南の夜に響く笑い声 日本人店主が営む居酒屋

新華社 | 2025-11-02 19:36:15

10月24日、カウンター越しに笑顔で客と言葉を交わす加藤哲也さん(右)と妻の牛茜さん(左)。(海口=新華社記者/郭程)

 【新華社海口11月2日】夕刻になると、心地よい音楽と串焼きの香りに包まれ、客たちの笑い声であふれる――。中国海南省海口市に今年8月オープンした日本式居酒屋「Jijiz」は、そんな温かな空間だ。カウンターの向こうで客と楽しそうに言葉を交わす加藤哲也さんは、この店を開いた3人の日本人のうちの1人。「中国人の『はっきりものを言う』ところが自分の性格に合っていて、心地よい」と話す。

10月24日、日本料理の調理に取り組む加藤哲也さん。(海口=新華社記者/郭程)

 「中国にいるのは妻につかまったから」と冗談めかして笑う。美容・ファッション業界にいた加藤さんは2008年、友人の誘いで北京で働き始め、1年後に現在の妻、牛茜(ぎゅう・せん)さんと出会った。仲間の間でも評判だった料理の腕を生かし、16年には最初の居酒屋を北京で開いた。本格的な味とアットホームな雰囲気で人気を集めたという。

10月24日、料理を運ぶ加藤哲也さん。(海口=新華社記者/郭程)

 海南には昨年の冬、海南自由貿易港日本企業合作センターの招待を受け、家族や友人とともに休暇を兼ねて視察に訪れた。海南自由貿易港の優遇政策に新たな可能性を感じ、今年5月に夫婦で海口に移住。センターや関連政府部門のサポートを得て、立地の選定から内装、食材調達までわずか2カ月で開業準備を終えた。

10月24日、カウンター越しに客へ料理を出す加藤哲也さん(奥)と妻の牛茜さん(左)。(海口=新華社記者/郭程)

 海南自由貿易港では今年12月18日から、海南島全域を独立した税関管理区域とし、多くの品目で関税を撤廃する「封関」政策が正式に始まる。加藤さんは「海南には日本にない食材や味が多く、日本料理と組み合わせて新しい味を生み出したい」と話す。「封関」で外国文化の流入が進む中、海南の発展と文化交流の一端を担いたいと考えている。(記者/周慧敏)

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